研究課題/領域番号 |
19K07528
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分49040:寄生虫学関連
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研究機関 | 神戸女子大学 |
研究代表者 |
木村 大輔 神戸女子大学, 健康福祉学部, 教授 (50423637)
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研究分担者 |
由井 克之 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 教授 (90274638)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | マラリア / 免疫記憶 / CD4陽性T細胞 / アポトーシス / 溶血性貧血 / T細胞 / IL-27 / CD4+T細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
マラリアに対する有効なワクチンはこれまでに開発されておらず、その原因の1つにマラリアでは免疫記憶が成立しにくいことが挙げられる。我々は、抑制因子IL-27を産生する新規制御性CD4+T細胞「Tr27」を見出し、マラリアにおける免疫抑制機構を報告した。さらに最近、抑制因子IL-27は記憶CD4+T細胞の形成・維持を阻害する結果を得た。本研究計画では、マラリア原虫特異的CD4+T細胞をモニター可能な系を用いて、IL-27による免疫記憶抑制のメカニズムを明らかにする。本研究成果は、マラリアにおける免疫記憶抑制の解除法開発へつながる基礎研究である。
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研究成果の概要 |
マラリアの制圧が困難な理由として、マラリア原虫感染によって宿主免疫応答が抑制されることや、免疫記憶が持続しにくい問題があげられる。これまでに我々は、マラリア原虫感染マウスモデルにおいて、感染後に増加した活性化CD4陽性T細胞がその後早期に死滅するのに対し、IL-27受容体欠損マウスでは死滅しないことを明らかにした。また、興味深いことにこの現象は、薬剤による溶血性貧血マウスでも観察された。すなわち、マラリア原虫によって破壊された赤血球成分が、マラリア原虫特異的CD4陽性T細胞の長期生存を妨げていることが示唆された。現在は赤血球成分とIL-27受容体との関係について解析中である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究目的である「IL-27による免疫記憶抑制メカニズム解明」は、これまでの我々独自の研究成果を発展させたものである。また、記憶T細胞の細胞死を誘発させる赤血球成分を特定できれば、記憶抑制メカニズムが明らかとなり、将来完成が期待されるワクチン効果を促進・維持させることで、マラリアワクチン開発へ向けて貢献ができる。また、これまで研究されてきた既存のワクチン候補中に本研究成果と組み合わせることで、効果が期待できる可能性も考えられる。
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