研究課題/領域番号 |
19K07538
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分49050:細菌学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
顔 宏哲 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (50612066)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | EPEC / inflammation / exosome / effector / T3SS / エクソソーム / EHEC / 感染 / 炎症応答 / Infection / Exosome / Immune response / Effector |
研究開始時の研究の概要 |
腸管出血性大腸菌EHECは3型分泌装置を介して接触した細胞のみ感染すると知られている。申請者は、EHECは細胞のエクソソーム経路を利用して病原性タンパク質を拡散し、直接感染していない細胞の機能をも制御すると考えている。これを明らかにする事を本研究の目的としている。研究計画に、感染に必要の病原性タンパク質を発現する細胞株を樹立する。細胞より放出されたエクソソームを単離し、病原性タンパク質の存在を確認する。単離されたエクソソームを他の細胞に与えて、細胞への影響(免疫応答、細胞死、運動能など)を評価する。メカニズムとして、エクソソームに載るために必要なドメイン解析や宿主因子の同定を明らかにする。
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研究成果の概要 |
先行研究より、EPECの感染細胞から多くのエクソソームが放出される現象を見出した。エクソソームは細胞間の物質輸送に関わる粒子として知られているが、この大量放出された粒子はEPEC感染過程においてどのような役割を果たしているかは不明である。本研究を介して、感染によるエクソソームの大量放出は T3SS 依存的な現象であることがわかった。そして、感染細胞のCaspae-4 の活性化を阻害することで、エクソソームの放出量が抑制できる。最後に、感染細胞由来のエクソソームに、病原菌由来の毒素タンパク質が存在することを出し、この毒素は他細胞に伝播したのち、病原菌の付着率を高める効果があることを見出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
EPEC はこれまでに直接感染した細胞に毒素を打ち込むことで、細胞の機能を制御することが知られている。本研究を介して、打ち込まれた毒素はエクソソームを介して他細胞に伝播し、その細胞に対する菌の接着率を高める効果がある事を初めて示した。EPEC感染を理解する上で、新しい見解を提供できるものである。さらに、感染細胞由来のエクソソームは感染の進行に正の働きをする事から、EPEC感染症の新規治療薬として、エクソソームは一つの標的になりうる可能性を示したことに意義が大きい。
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