研究課題/領域番号 |
19K07541
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分49050:細菌学関連
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研究機関 | 茨城県立医療大学 |
研究代表者 |
藤田 智也 茨城県立医療大学, 保健医療学部, 助教 (00641672)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | L型菌 / 細胞骨格 / 細胞分裂 / 細胞融合 / L型菌(L-form) |
研究開始時の研究の概要 |
細菌の細胞壁を欠損し、かつ分裂能を有するL型菌が様々な感染症で確認されている。そのため、それらの細胞特性が病原菌の感染性や病原性を高めているのではないかと疑われているが、これらを支持する知見はほとんどない。本研究では、可逆的な「栄養型⇔L型」の形態変化のなかでも、特にL型から本来の栄養型細菌に復帰する過程における形態変化とそれに係る因子の細胞内局在と機能、および細胞膜が露出したL型菌の細胞融合現象による遺伝子伝播の可能性について、分子生物学的手法や共焦点蛍光顕微鏡を用いて解析を行い、医学および生物学における有益な知見を得る。
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研究成果の概要 |
薬剤によって破壊されたL型大腸菌の細胞骨格は復帰過程で直ちに再形成されるが、細胞分裂に関与するタンパク質はL型菌の特徴である球形の細胞内領域を不規則に移動しながら機能していた。これにより、L型菌は分枝型を主とする歪な細胞形態を経て復帰していると考えられる。通常、これらのタンパク質は正しく配置された細胞極を起点にして移動しているため、L型菌では細胞極の数およびその位置が不規則であると推察される。 一方、細胞壁が欠失したL型大腸菌で自然に細胞融合を起こすかどうかについて、膜融合または遺伝子伝播の観点で種々検討を行ってきたが、本研究期間内ではその現象を見出すことはできなかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
細胞壁が欠失したL型菌は細菌性感染症の患者から単離されており、感染性や病原性に関与しているのではないかと疑われている。生物学においても、L型菌は生命の起源である原始細胞のモデルとして用いられている。いまだよく理解されていないL型菌について、異質な形態の細胞が出現する機序、およびL型菌の細胞融合の可能性を探ることによって、基礎医学や生物学における重要な基礎的知見を見出すことが期待できる。
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