研究課題/領域番号 |
19K07555
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分49050:細菌学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
戸邉 亨 大阪大学, 大学院医学系研究科, 教授 (70207596)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 遺伝子発現制御 / 病原性 / RNase / O157 / 活性酸素 / TA systems / EHEC / 転写後制御 / 抗生物質 / 腸管出血性大腸菌 / 発現抑制 / 増殖抑制 / 外来性遺伝子 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究課題では、以下の項目について解析を行う。1)EHEC O157 Sakai 株における病原性遺伝子発現の選択的抑制に関与するtoxin-antitoxin system の検索。2)Toxin-antitoxinの選択性の特徴。3)Toxinを活性化する内因性ストレス(病原性(外来性)遺伝子発現)および外因性ストレスの解析。4)Toxinに拮抗して活性化する病原性遺伝子と拮抗機構の解析。5)人工的遺伝子の導入による選択性の特徴の詳細な解析。 これらの解析結果を統合して、toxin-antitoxin systemの自己防御機構としての新たな機能を明らかにできると期待する。
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研究成果の概要 |
腸管出血性大腸菌のゲノム情報より新規のswpAB Toxin-Antitoxin (TA) systemsを見出した。このTA system遺伝子は、ribosome依存性RNaseであるRelE toxinと相同性があり、実際に強制発現により菌の増殖を抑制した。しかし、antitoxin遺伝子の発現抑制によるToxin活性化では増殖への影響がなかったが遺伝子発現を選択的に抑制し、その標的遺伝子には病原性遺伝子が含まれていることを明らかにした。また、このswpAB TA systemは活性酸素を発生させる条件下で活性化されることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
Toxin-Antitoxin systemsは細菌に広く多数見出されているが、ほとんどの場合その機能が不明である。今回の研究では、TA systemの機能は、菌の増殖抑制ではなく遺伝子の選択的な発現抑制であることを初めて明らかにした。その手法もantitoxin遺伝子の選択的な発現抑制による新規のもので今後の解析に大いに貢献するものである。また、増殖に影響せずに病原性を選択的に低下させるシステムを見出したことは、感染制御法の開発にも貢献するものである。
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