研究課題/領域番号 |
19K07557
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分49050:細菌学関連
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
後藤 正道 鹿児島大学, 医歯学総合研究科, 客員研究員 (80325779)
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研究分担者 |
鈴木 幸一 帝京大学, 医療技術学部, 教授 (20206478)
圓 純一郎 新潟医療福祉大学, リハビリテーション学部, 准教授 (30587879)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | Mycolactone / 細胞傷害 / 無痛性 / 細胞障害 / 末梢神経障害 |
研究開始時の研究の概要 |
ブルーリ潰瘍は我が国でも報告が増加している抗酸菌Mycobacterium ulcerans感染症であり、広範な深い無痛性の皮膚潰瘍が形成される。しかし、日本で報告されているM. ulcerans subsp. shinshuenseでは多くの場合に有痛性であり、無痛性のM. ulceransと大きく異なる病態が観察されている。 本研究では、ブルーリ潰瘍における細胞障害とその成立機序の検索により、ブルーリ潰瘍における無痛性及び有痛性病変成立のメカニズムを明らかにする。また、末梢神経における痛覚消失の生理的機序を解明することでブルーリ潰瘍の病態の解明と治療への展望が明らかにする。
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研究実績の概要 |
本研究では、ブルーリ潰瘍におけるM. ulcerans subsp. shinshuense、M. ulcerans及びmycolactone A/B、mycolactone S1、mycolactone S2による細胞障害とその成立機序の検索及び受容体・シグナル伝達経路の同定により、ブルーリ潰瘍における無痛性及び有痛性病変成立のメカニズムを明らかにするものである。 2023年度は、供給が途絶えているmycolactone A/B 、mycolactone S1、mycolactone S2をWHOの協力を得て新たに入手して実験を行う予定で準備を進めていた。さらに、University of StrasbourgのDr. Nicolasが新規で合成mycolactoneの作成を始めており、そちらからも出来上がり次第提供していただくことになっていた。この両者から提供されたmycolactone A/B 、mycolactone S1、mycolactone S2による細胞障害とその成立機序の検索もしくは、受容体・シグナル伝達経路を同定するために、Mycolactone により引き起こされる細胞動態の詳細な解析を行う。まず、蛍光標識したmycolactone を用いて、反応する細胞の主体を明らかにする。また、次世代シークエンサーによるRNA-seq解析を行い、末梢神経障害に寄与する遺伝子発現変化を明らかにするものである。 さらに、培養シュワン細胞・線維芽細胞・マクロファージにM. ulcerans subsp.shinshuense、M. ulcerans及び他の抗酸菌(M. marinum、M. avium等)を感染させ、細胞内への菌の取り込み、細胞形態の変化、細胞膜破損の有無、アポトーシスの有無などを検討する。これらの結果と、mycolactoneによる培養細胞の変化との比較を行うにより、シュワン細胞と他の細胞の細胞障害パターンの違いを明らかにするものである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2023年度は、供給が途絶えているmycolactone A/B 、mycolactone S1、mycolactone S2をWHOの協力を得て新たに入手して実験を行い、さらに、University of StrasbourgのDr. Nicolasが新規で合成mycolactoneの作成を始めており、そちらからも出来上がり次第提供していただくことになっていた。この両者から提供されたmycolactone A/B 、mycolactone S1、mycolactone S2による細胞障害とその成立機序の検索もしくは、受容体・シグナル伝達経路を同定するために、Mycolactone により引き起こされる細胞動態の詳細な解析を行う。まず、蛍光標識したmycolactone を用いて、反応する細胞の主体を明らかにする予定であり、また、次世代シークエンサーによるRNA-seq解析を行い、末梢神経障害に寄与する遺伝子発現変化を明らかにする予定であった。しかし、合成mycolactoneの作成が遅れており、入手出来ていないため実験を進めることが出来ていない。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度は、入手が遅れているmycolactone A/B 、mycolactone S1、mycolactone S2がWHO及びUniversity of StrasbourgのDr. Nicolasから提供され次第、この両者から提供されたmycolactone A/B 、mycolactone S1、mycolactone S2による細胞障害とその成立機序の検索もしくは、受容体・シグナル伝達経路を同定するために、Mycolactone により引き起こされる細胞動態の詳細な解析を行う。まず、蛍光標識したmycolactone を用いて、反応する細胞の主体を明らかにする。また、次世代シークエンサーによるRNA-seq解析を行い、末梢神経障害に寄与する遺伝子発現変化を明らかにする。 さらに、培養シュワン細胞・線維芽細胞・マクロファージにM. ulcerans subsp.shinshuense、M. ulcerans及び他の抗酸菌(M. marinum、M. avium等)を感染させ、細胞内への菌の取り込み、細胞形態の変化、細胞膜破損の有無、アポトーシスの有無などを検討する。これらの結果と、mycolactoneによる培養細胞の変化 との比較を行うにより、シュワン細胞と他の細胞の細胞障害パターンの違いを明らかにする。
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