研究課題
基盤研究(C)
本研究期間内(3年間)に、① ディフィシル菌のバクテリオファージ(ファージ)の性状解析、② ディフィシル菌ファージの構造タンパク質(宿主認識分子を含む)の同定、③ 宿主レセプター分子の同定、④ ディフィシル菌ファージのディフィシル菌への親和性および吸着性、⑤クロストリディオイデス(クロストリジウム)・ディフィシル感染症(CDI)の治療剤候補となるファージの選定を行う。当成果により、⑥ ディフィシル菌感染マウスモデルによる有効性・安全性の情報を得る。⑦ ①~⑥ の結果より総合考察を行う。
Clostridioides difficile感染症(CDI)は、抗菌薬関連下痢症・腸炎の1つであり、C. difficileが過剰に増殖することにより発症する。従って、原因となるC. difficileのみを特異的に殺菌する新規治療法の確立が急務である。本研究課題では、その治療候補としてバクテリオファージ(ファージ)に着目した。ファージは、宿主である細菌に対して特異的に結合し殺菌活性を示す。本課題において、推定した尾部吸着分子を発現・精製し、C. difficileに対する結合をELISAおよびウェスタンブロットにより解析したところ、濃度依存的および時間依存的な結合が認められた。
Clostridioides difficile感染症(CDI)は、米国では多くの罹患者が報告され、毎年多額な医療コストを費やしている。我が国でも同等またはそれ以上の発生率であると見積られている。また、米国疾病管理予防センター(CDC)は、C. difficileを“urgent threat”に分類している。このような危機的状況を受け、世界保健機関(WHO)および厚生労働省では、その対策として抗菌薬以外の方法による治療法等の開発に役立つ研究が推進されている。本研究が発展することにより、バクテリオファージの特性を有効に利用したCDIの新規治療法の開発につなげることが期待される。
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Anaerobe
巻: 73 ページ: 102502-102502
10.1016/j.anaerobe.2021.102502
巻: 66 ページ: 102281-102281
10.1016/j.anaerobe.2020.102281