研究課題/領域番号 |
19K07562
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分49050:細菌学関連
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
熊谷 由美 順天堂大学, 医学部, 助教 (90277591)
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研究分担者 |
射場 敏明 順天堂大学, 医学部, 教授 (40193635)
長岡 功 順天堂大学, 大学院医学研究科, 教授 (60164399)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 敗血症 / 好中球 / 細胞外小胞 / LL-37 / 生体防御ペプチドLL-37 / マイクロベシクル / Ca2+シグナリング / カルパイン / 抗菌活性 / ectosome / 抗菌活性分子 / lactoferrin / CRAMP / FPR2 / CXCR2 / エクトソーム |
研究開始時の研究の概要 |
細菌感染を主因とする敗血症は、未だに有効な治療法が確立されておらず、先進国でも致死率が高い疾患である。研究代表者はこれまでに、好中球由来の細胞外小胞(エクトソーム)が抗菌活性を有すること、また敗血症モデルマウスの病態改善に効果的であることを示してきた。 本研究では、エクトソーム放出に関わるシグナル伝達機構や、エクトソームの抗菌活性に関与する因子を明らかにする。さらに、マウス敗血症に対してより有効なエクトソームの生成を試み、またこれらの知見がヒト敗血症患者の好中球へ適応できるかどうかを検討する。本研究の成果は、治療が困難な敗血症に対して有効な治療法を開発するための重要な一歩になると期待される。
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研究実績の概要 |
研究代表者はこれまでに、マウスの骨髄から単離した好中球を生体防御ペプチドLL-37で刺激したときに放出された細胞外小胞 (Extracellular vesicles, EV) LL-37-PMN-EVは、敗血症モデルマウスの致死率を減少させること、また、特に肺において、炎症の程度が軽減していることを明らかにしてきた。現在は、LL-37-PMN-EVの生理的な標的細胞を検出するために、好中球由来のEVにCreをloadさせ、loxP-red fluorescent-loxP-green fluorescentの配列を導入したレポーターマウスを用いる系を構築している。そのために、 1. 非常に困難で世界的にも殆ど成功例がない好中球の高効率なtransfectionに成功し、この好中球に由来するEVにCreを効率よくlaodする系を確立した。 2. レポーターマウスの構築に用いるレポータープラスミドを作製し、培養細胞の系で機能することを確認した。 3. 1. のCre-laod EVが、レポータープラスミドを有する培養細胞に取り込まれて、Cre-loxP系が作動することを確認した。 4. 2.のレポータープラスミド中の、loxP-red fluorescent-loxP-green fluorescentのカセットを、Rosa26 armを持つプラスミドに組換え、ES細胞をtransfectionして組換えES細胞を樹立し、これを親マウスに移植して、遺伝子組み換えマウスを得た。しかし、目的のフラグメントの挿入が確認できなかった。現在カセットのデザインを再検討している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
当該予算で申請した研究はほぼ終了し、現在は以下に記す方針で研究を発展させるべく、この予算を使用している。
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今後の研究の推進方策 |
1. 一細胞解像度、三次元的解析によるEVの標的細胞の同定 (in vivo・ex vivo実験):EVが取り込まれた細胞が蛍光を発するレポーターマウスを利用して、好中球EVの肺における標的細胞を、組織透明化技術・一細胞解像度のイメージング技術を利用して、三次元的に一細胞レベルで解析する。 2. EVの標的細胞に対する抗炎症・細胞死抑制作用の評価 (ex vivo・in vitro実験) 3. 抗炎症・細胞死抑制作用に関係する好中球EVの因子の同定 (ex vivo・in vitro・ in vivo実験) 4. ヒト好中球由来EVへの適用 (ex vivo・ in vitro実験) :ヒト好中球をLL-37で刺激した時に生成されるEVにも、標的細胞に対する同様の抗炎症・細胞死抑
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