研究課題/領域番号 |
19K07568
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分49050:細菌学関連
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研究機関 | 国立感染症研究所 |
研究代表者 |
小川 道永 国立感染症研究所, 細菌第一部, 室長 (80361624)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 肺炎球菌 / 病原性 / オートファジー / NanoBiT / 初期感染過程 / NanoLuc / 病原因子 / コリン結合性タンパク質 / Atg14 |
研究開始時の研究の概要 |
我々は現在までに、細胞内に侵入した肺炎球菌は感染2時間後に選択的オートファジーによって捕捉・殺菌されることを明らかにしている。我々は最近、感染30分から1時間という初期にFIP200に依存しないノンカノニカルなオートファジー(Pneumococcus-containing LAP-like Vacuoles (PcLAP) )が一過性に誘導されることを見出した。そこで本研究では、PcLAP形成に関与する宿主側、菌側因子の探索を行い、PcLAP誘導機構、肺炎球菌感染成立または防御におけるPcLAPの意義を明らかにし、オートファジーで肺炎球菌感染を制御することを目指す。
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研究成果の概要 |
細胞侵入性細菌に対して殺菌的に働くオートファジーはゼノファジーと呼ばれている。肺炎球菌がゼノファジーを抑制するかについては不明であり、細胞外を主戦場とする肺炎球菌が細胞内で機能を発揮する病原因子を持つ可能性についてもほとんど議論されてこなかった。そこで、オートファジーを制御する肺炎球菌の病原因子の探索を行った結果、細胞内で菌から放出されたコリン結合タンパク質CbpCが、Atg14-CbpC-p62複合体を形成し、Atg14を標的とした選択的オートファジーを誘導することで、PcAV誘導に必要なAtg14を選択的に分解・枯渇させ、肺炎球菌の細胞内生存性を顕著に改善させることが明らかになった
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究により、細胞内に侵入した肺炎球菌は宿主の殺菌機構から逃れるために病原因子CbpCをおとりにしてAtg14を分解することによりゼノファジーを抑制していることが明らかになった。肺炎球菌感染細胞において、菌体から放出された病原因子が宿主因子との相互作用を介して病原性を発揮することを解明したのは本研究が世界で初めてである。本研究の成果は次世代肺炎球菌ワクチン開発および新規予防法・治療法開発に必要な肺炎球菌が保有する病原因子に関する分子基盤構築に寄与するものとである。
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