研究課題/領域番号 |
19K07572
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分49050:細菌学関連
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研究機関 | 国立感染症研究所 |
研究代表者 |
大塚 菜緒 国立感染症研究所, 細菌第二部, 主任研究官 (90596610)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | Bordetella perturssis / fimbriae / RisA / Bordetella pertussis / gene expression / mechanism |
研究開始時の研究の概要 |
百日咳菌はゲノム上に2種類の線毛遺伝子fim2およびfim3を有するが、これら遺伝子の発現制御機構は非常に特徴的でかつ巧妙に調整されている。我々はfim遺伝子のプロモーター領域(Pfim)にはpoly(C) stretch構造が存在し、fim3遺伝子はPfim3 poly(C) ≧14Cの場合にはvag (virulence-associated gene)として、≦13Cの場合にはvrg (virulence-repressed gene)として発現調整がされていることを明らかにした。本研究では、fim3発現へのBvgR/RisAの関与を実験的に証明し、さらにPfim3 poly(C)長がfim3のvag/vrgを決定する機構について明らかにする。
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研究実績の概要 |
百日咳菌の線毛遺伝子fim3の上流(Pfim3領域)には特徴的なpolyC配列が存在するが、我々はこれまでにPfim3 polyC ≧14Cの場合はfim3遺伝子がvag (virulence-associated gene)、≦13Cの場合はvrg (virulence-repressed gene)として機能することを明らかにした。さらにfim3がvrgとして機能するにはアクチベーターRisAの制御を受けることが示唆されたため、本研究ではfim3発現におけるRisAの制御機構を明らかにすることを目的とする。 まず、組換えRisAタンパク質の精製方法を検討し、可溶化剤不含有条件でのタンパク質精製を行なった。組換えRisAを用いてゲルシフトアッセイ(EMSA)を行ったところ、RisAが標的配列Pfim3 poly-13C(200 bp)に特異的に結合することを明らかにした。ただし、これまでの遺伝子発現解析により、RisAがアクチベーターとして機能する際にリン酸化およびc-di-GMPの関与が示唆されており、これら因子の存在によりRisAのPfim3-DNAへの結合が促進されることが予想された。20 mMアセチルリン酸リチウムカリウム(AcP)でRisAWTを処理したところ、Phos-tag SDS-PAGEによりリン酸化されたRisA(RisA~P)が検出された。一方、RisA変異体(D60E, D60N)ではリン酸化によるバンドのシフトアップは認められず、RisAはD60にリン酸化を受けることが確認された。RisAはc-di-GMP単独存在下ではPfim3への結合がほぼ認められなかったが、RisA~Pではやや結合が促進され、さらにリン酸化された状態でc-di-GMPが存在した場合にはDNAへの結合が大きく促進されることが明らかになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
in vitro RisAリン酸化の処理条件および検出方法に検討を要したため。
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今後の研究の推進方策 |
RisAのPfim3-13CまたはPfim3-14Cへの結合をRisA-Pおよびc-di-GMPが存在する条件で結合解析を行いKd値を比較する。また、野生株および∆risA株でPfim3-13C/Pfim3-14Cのプロモーター活性をbeta-galactosidaseアッセイにより測定する。
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