研究課題/領域番号 |
19K07580
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分49060:ウイルス学関連
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研究機関 | 藤田医科大学 |
研究代表者 |
村田 貴之 藤田医科大学, 医学部, 教授 (30470165)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | EBV / abortive lytic / tegument / primary B cell / EBNA2 / LMP1 / PD-L1 / reactivation / B細胞 / 感染直後 / プライマリーB細胞 / 潜伏感染 / 溶解感染 / テグメメント |
研究開始時の研究の概要 |
Epstein-Barr virus(EBV)は、潜伏感染と溶解感染という2つの潜伏様式をとる。近年、いくつかの証拠から、両様式の中間的平衡状態にあたる不完全溶解感染の重要性が提起されてきているが、その全容は理解されていない。そこで本研究ではこの不完全溶解感染に着目し、発現する遺伝子やエピジェネティッックスについて経時的に観察する。特にウイルスのテグメントと呼ばれる一群のタンパク質の関与が示唆されており、これについて解析を行う。
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研究成果の概要 |
近年、Epstein-Barr virus(EBV)の不完全溶解(abortive lytic)感染という状態が、効率のよい感染の成立やがん化に重要であることを示唆する知見が出てきているが、現在までほとんど解明されていない。本研究では特にEBVのテグメントタンパク質の不完全溶解感染への寄与に着目して研究を開始した。研究は順調に推移し、複数の論文を報告することができた。特にプライマリーB細胞への感染実験でのRNAseqから多くの知見を得た。ただし、当初期待していたほどテグメントタンパク質の寄与は大きくなく、むしろEBNA2やLMP1といった潜伏感染関連遺伝子の影響が大きいようであった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
効率のよい感染の成立やがん化に重要であると考えられるが、その分子機構の大部分が未解明であったEpstein-Barr virus(EBV)の不完全溶解感染(abortive lytic)という状態について、新しい知見を得ることができた。このことはウイルス学、ひいては科学における学術的進展である。 また、EBVは感染直後主にEBNA2を介してPD-L1の発言を増強し、宿主免疫から逃避していることが明らかになった。すなわち、EBNA2を標的とした抗がん剤創薬が可能であること、さらにPD-1/PD-L1免疫チェックポイント阻害剤がEBVによるB細胞がん化を抑制できる可能性を示唆した。
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