研究課題/領域番号 |
19K07584
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分49060:ウイルス学関連
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研究機関 | 国立感染症研究所 |
研究代表者 |
加藤 大志 国立感染症研究所, ウイルス第三部, 室長 (80711712)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | ムンプスウイルス / RNA合成 / R2TP複合体 / 自然免疫 / 宿主タンパク質 / 宿主RNA / インタラクトーム解析 / 液滴形成 / 宿主因子 |
研究開始時の研究の概要 |
流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)の原因ウイルスであるムンプスウイルス(MuV)のRNA合成機構を明らかにする。MuVは増殖過程において、mRNAとゲノムRNAの2種類のRNAを合成する。本研究では2種類のRNA合成それぞれについて分子レベルで解析すると共に、感染細胞においてどのような時空間的制御を受けているを明らかにすることで、MuVのRNA合成機構の全体像を理解する。
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研究成果の概要 |
本研究ではパラミクソウイルスのRNA合成におけるR2TP複合体の機能解析を行った。R2TP複合体はパラミクソウイルスのLタンパク質と相互作用した。R2TP複合体をノックダウンしても、ムンプスウイルス(MuV)のゲノム複製には影響がない一方、転写が有意に亢進した。このR2TP複合体によるRNA合成制御は、MuVの増殖と宿主の自然免疫反応からの回避に不可欠であった。R2TP複合体は麻疹ウイルス(MeV)のRNA合成も制御していたが、MeVはR2TP複合体非存在下で宿主の自然免疫反応を回避したため、その機能は抑制的でMeVにとって有益なものではなかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、パラミクソウイルスのRNA合成を制御する新たな宿主因子として、R2TP複合体を同定し、その機能を明らかにした。さらにR2TP複合体による厳密なウイルスRNA合成の制御が宿主免疫からの回避に必須であることも示された。パラミクソウイルス感染症の治療標的の一つであるウイルスRNA合成の理解は、抗パラミクソウイルス薬の開発に重要な知見となる。
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