研究課題/領域番号 |
19K07590
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分49060:ウイルス学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人国立国際医療研究センター (2021) 東京大学 (2019-2020) |
研究代表者 |
今井 正樹 国立研究開発法人国立国際医療研究センター, 研究所, 国際ウイルス感染症研究センター 部長 (30333363)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | A型インフルエンザウイルス感染 / 好中球 / 接着 / ヘマグルチニン (HA) / インフルエンザウイルス / 感染細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
インフルエンザウイルス性肺炎を呈した患者の肺組織には浸潤した多数の好中球が検出される。研究代表者らはインフルエンザウイルス性肺炎における好中球の役割を明らかにするため、感染マウス肺組織の炎症部位に浸潤した好中球の形態を電子顕微鏡で観察した。その結果、多数の好中球が感染細胞に接着していることが分かった。しかし、この接着がどのような意義をもつのかは不明である。本研究では、感染細胞への好中球の接着がウイルス排除に寄与しているのかどうかを明らかにするために、感染マウス肺組織内における感染細胞と好中球との接着部位の微細構造を解析する。また、好中球と共培養した感染細胞でのウイルスの増殖性を調べる。
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研究成果の概要 |
感染細胞への好中球の接着がインフルエンザウイルスの排除に寄与しているのかどうかを明らかにするため、好中球と接触あるいは非接触条件下で共培養した感染細胞におけるウイルスの増殖性を解析した。接触あるいは非接触条件におけるウイルス量は、コントロール(好中球未添加)と比べていずれも顕著に低いことがわかった。また、接触条件におけるウイルス量は、非接触条件よりも有意に低かった。さらに、好中球は感染細胞に直接接触することで、抗ウイルス活性を持つミエロペルオキシダーゼを効率よく感染細胞内に移行させることがわかった。好中球は、感染細胞に直接接着することで、より効果的にウイルス増殖を抑制していることが示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
感染細胞への好中球の接着がウイルス排除に寄与しているのかどうかを明らかにするために、好中球と共培養した感染細胞でのウイルスの増殖性を調べた。さらに、好中球が接着した感染細胞内における好中球由来殺菌性因子の検出を行なった。インフルエンザウイルス性肺炎における好中球の役割が明らかにされれば、インフルエンザウイルスに対する感染防御機序とウイルス性肺炎の病態形成に関する理解が深まり、さらには好中球による正常組織への傷害を抑制した上で、その抗ウイルス作用を効率よく引き出す新たな治療法の開発に繋がることが期待される。
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