研究課題/領域番号 |
19K07591
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分49060:ウイルス学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
白川 康太郎 京都大学, 医学研究科, 助教 (80728270)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | HIV潜伏感染 / トランスクリプトーム / CRISPRスクリーニング / mTOR経路 / HIV感染症 / 潜伏感染 / 再活性化 / CRISPRスクリーン / HIV-1 / CAGE法 / CRISPR/Cas9 / トランスクリプトーム解析 |
研究開始時の研究の概要 |
潜伏感染細胞を直接標識できるHIVGKOのVif欠損株を用いて、CAGE法により潜伏感染細胞分画のトランスクリプトーム解析を行う。既に取得している野生型HIVGKOとの比較を行いHIV-1 Vifの潜伏感染細胞の転写への影響を解析する。HIV-1 Vifの相互作用分子として同定されたHDAC3やその複合体の構成成分との結合様式を詳細に解析し、潜伏感染成立への影響を解析する。核内蛋白に対するsgRNAライブラリーを用いてCRISPRスクリーニングを行い潜伏感染の確立と維持および再活性化に必要な細胞性因子を同定する。以上によりHIV-1潜伏感染のメカニズムを明らかにし根治療法開発への基盤とする。
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研究成果の概要 |
HIVGKOを感染させたJurkat T細胞モデルを用いて潜伏感染細胞の遺伝子発現プロファイルをCAGE法により解析した。非感染細胞と比較し潜伏感染細胞で31種の遺伝子発現が低下したが、遺伝子発現が増加した遺伝子は認めなかった。非感染細胞でSPP1とAPOEの発現が増加しており、shRNAを用いてこれらの遺伝子がHIV感染を抑制することを示した。さらにmTOR経路の活性化が低い細胞で潜伏感染が多いことを発見した。以上より潜伏感染細胞の遺伝子発現は非感染細胞と差がないことが明らかとなり、感染する細胞の遺伝子発現の状態が感染後のウイルス転写に影響を与えることが示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
HIV感染症は抗ウイルス薬によりコントロール可能となったが、治療を中止すると再発してしまう。これはメモリーT細胞などのHIV潜伏感染細胞がウイルス蛋白を発現せず免疫による監視を生き残るためである。本研究ではHIV潜伏感染細胞の転写プロファイルを比較し、HIVゲノムがインテグレーションされた潜伏感染細胞に転写レベルで非感染細胞との差がほとんどないことを示された。本細胞モデルを用いてさらに潜伏感染の分子機構を明らかにできれば潜伏感染細胞を標的とした治癒を目指すための新たな治療法につながると考えられる。
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