研究課題/領域番号 |
19K07594
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分49060:ウイルス学関連
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研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
宮川 敬 横浜市立大学, 医学部, 准教授 (20580046)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 宿主-ウイルス相互作用 / ウイルス-宿主相互作用 / ヒト免疫不全ウイルス / 内因性免疫 |
研究開始時の研究の概要 |
HIV構造蛋白質Gagは、ウイルス複製環全体に関わる重要な蛋白質であるにも関わらず、その詳細な機能調節機構は不明である。本研究では、複雑なGagの挙動を反映した独自のアッセイ系を用い、Gagを機能不全に導く蛋白質を探索し、宿主によるGag機能制御機構やヒトのもつ生体防御機構について解明する。また、Gagは他のウイルス蛋白質に比べ変異許容度が低いため、Gagを標的薬に対する耐性ウイルス出現リスクも相対的に低いと予想されている。そこで、これらの生細胞アッセイ系を用いてGagを機能不全に導く化合物を探索し、Gag標的薬の有用性を検証する。
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研究成果の概要 |
HIV構造タンパク質Gagは、ウイルス複製に関わる重要因子であるにも関わらず、宿主免疫による制御機構は不明である。本研究では、自然免疫関連因子のうちGagの機能制御に関わる因子を包括的に探索、解析した。その結果、膜貫通型タンパク質MALがGagと強く相互作用する宿主タンパク質として同定された。MAL発現細胞では、HIV粒子産生が顕著に抑制され、その細胞内のエンドソームにGagが蓄積していた。しかし、MALの抗ウイルス活性は、HIVアクセサリータンパク質Nefによって阻害された。これらの結果から、ヒトが本来有する抗ウイルス活性がウイルスによって不活化される新たな機構が明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、タンパク質間相互作用を生細胞でリアルタイムに検出可能な実験系を用いて、ヒト免疫不全ウイルスを顕著に抑制する機能をもつヒトタンパク質を多数同定し、宿主の自然免疫応答機構、およびウイルスがそれを克服する作用機序を明らかにした。これまで知られていなかったウイルスタンパク質の新たな機能が明らかとなり、ヒトが本来有する抗ウイルス活性を利用したHIV-1感染症の新規治療法開発に将来的に寄与するものと考えられる。
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