研究課題/領域番号 |
19K07607
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分49070:免疫学関連
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研究機関 | 静岡県立大学 (2020-2021) 大阪大学 (2019) |
研究代表者 |
梅本 英司 静岡県立大学, 薬学部, 教授 (90452440)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 粘膜免疫 / 代謝分子 / GPCR / Gタンパク質共役型受容体 / 免疫 / 生理活性分子 / G蛋白質共役型受容体 / 腸管免疫 / 腸内細菌 |
研究開始時の研究の概要 |
これまで申請者らは、腸内細菌の代謝物であるピルビン酸および乳酸が小腸CX3CR1+貪食細胞上のGPR31に作用することにより、小腸CX3CR1+貪食細胞の腸管管腔面への樹状突起伸長および抗原取り込み能を促進することを見出している。小腸CX3CR1+貪食細胞はCD8+T細胞の機能を調節することが知られることから、本研究ではピルビン酸・乳酸-GPR31シグナルが腫瘍抗原特異的T細胞の活性化および抗腫瘍免疫応答を増強する可能性を解析する。
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研究成果の概要 |
腸内細菌由来の代謝分子ピルビン酸および乳酸は、小腸CX3CR1+貪食細胞上のG蛋白質共役型受容体GPR31に結合し、その樹状突起伸長を促進する。GPR31欠損マウスに大腸癌細胞株を接種したところ、腫瘍形成の増大傾向が認められた。そこで、腸管における制御性T細胞(Treg)を解析したところ、GPR31の欠損により小腸RORgt+ Tregの減少が認められた。さらに、ピルビン酸の経口投与はGPR31依存的に経口免疫寛容を増強した。すなわち、ピルビン酸-GPR31シグナルは腸管恒常性維持に重要な役割を果たすと考えられた。腫瘍免疫におけるGPR31シグナルの詳細な役割については更なる解析が必要である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究により、腸内細菌由来の代謝産物であるピルビン酸が、小腸貪食細胞上のG蛋白質共役型受容体GPR31に結合することで制御性T細胞サブセットを誘導し、経口免疫寛容を促進することが明らかになった。すなわち、ピルビン酸・乳酸―GPR31シグナルは腸管恒常性維持に重要な役割を果たすと考えられる。経口免疫寛容は食物アレルギーの成立に重要な役割持つことから、本研究の成果は将来的に食物アレルギーの予防や治療に応用できる可能性がある。
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