研究課題
基盤研究(C)
独自に開発した大腸炎・がん自然発症モデルマウスを用いて、1)T細胞におけるRap1欠損が大腸炎発症につながる新規メカニズムを明らかにする。2)活性型alpha4beta7を特異的に認識するモノクローナル抗体を作成し、その大腸炎治療効果を検討する。また、Rap1がalpha4beta7の構造変化を抑制する分子機講を解明する。3)大腸炎から大腸がんへの進行に関与する因子をプロテオミクス解析及びメタボローム解析により特定する。さらに、4)モデルマウスを用いて明らかになった大腸炎・がん原因分子に関して、ヒトIBD患者T細胞を用いた解析を行い、IBDの原因因子の可能性を検討する。
炎症性腸疾患(IBD)を自然発症するT細胞特異的Rap1欠損マウス(大腸炎モデルマウス)を用いて、以下のことを明らかにした。1)大腸炎モデルマウスでは、Rap1欠損によるTCR-mediated distal signalの低下により、大腸粘膜固有層でのRorgammat+制御性T細胞の生成及びCTLA-4を介する抑制機能が低下している。2)Rap1欠損T細胞では、alpha4beta7インテグリンが活性型構造となっているため、腸管へのホーミングが亢進している。3)腸炎惹起性T細胞ではmiR-150の発現が有意に上昇しており、その欠損は病原性T細胞の増大を抑制し、大腸炎の発症を抑制する。
Rap1シグナルがTCR distal signalに重要な役割を果たすこと及びRap1-GDPがインテグリンalpah4beta7の活性型構造を抑制していることを初めて明らかにした。また、miR-150の阻害は、リンパ節におけるLIP(lymphopenia-induced proliferation)を抑制し、大腸炎の発症を抑制することから、miR-150阻害剤はIBDなどの自己免疫疾患治療薬として有望であることを見出した。
すべて 2023 2022 2021 2020 2019
すべて 雑誌論文 (10件) (うち国際共著 4件、 査読あり 10件、 オープンアクセス 9件) 学会発表 (3件) 産業財産権 (2件)
Gastro Hep Advances
巻: 2 号: 4 ページ: 487-496
10.1016/j.gastha.2023.01.021
Communications Biology
巻: 5 号: 1 ページ: 206-223
10.1038/s42003-022-03129-x
Front Immunol.
巻: 12 ページ: 624419-624419
10.3389/fimmu.2021.624419
PLoS Computational Biology
巻: 17(8) 号: 8 ページ: 1009237-1009267
10.1371/journal.pcbi.1009237
BMC Biology
巻: 18 号: 1 ページ: 75-75
10.1186/s12915-020-00809-0
Sci Rep.
巻: 10 号: 1 ページ: 13554-13554
10.1038/s41598-020-70442-y
巻: 10 号: 1 ページ: 13221-13221
10.1038/s41598-020-70111-0
Biochemical and Biophysical Research Communications
巻: 524 号: 2 ページ: 325-331
10.1016/j.bbrc.2020.01.080
Leukemia
巻: - 号: 9 ページ: 2405-2417
10.1038/s41375-020-0737-9
Viruese
巻: - 号: 4 ページ: 417-417
10.3390/v12040417