研究課題/領域番号 |
19K07620
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分49070:免疫学関連
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
吉川 宗一郎 岡山大学, 医歯薬学域, 助教 (10549926)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | マスト細胞 / 好塩基球 / 補体 / マダニ / 獲得免疫 / 感染症 |
研究開始時の研究の概要 |
マダニは吸血時に重篤な感染症を媒介するベクターとして知られ、感染症を予防するためにもその対策が急がれている。様々な動物において、マダニに刺された経験のある個体はマダニ吸血に対する免疫ができることが知られており、その免疫の獲得には好塩基球とマスト細胞という免疫細胞が重要であることがわかっている。さらに、マダニ免疫発揮には好塩基球がマダニ吸血口の周りに集積することが必要であるが、マスト細胞や補体を欠損しているマウスではそれが異常になっていることが最近の研究からわかってきた。本研究では、マスト細胞が補体を使って好塩基球をマダニ感染局所へ集積させ、マダニ免疫を発揮させていることを解き明かしていく。
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研究成果の概要 |
マダニは重篤な感染症を引き起こす病原体を媒介するベクターとして知られる。マダニに2回以上感染したことのある動物はマダニ吸血に対する免疫を獲得し、この病原体伝播も減少させることが知られている。これまでの解析により、マダニ(Haemaphysalis longicornis)に対する免疫獲得には好塩基球とマスト細胞が必須であると判明しているが、マスト細胞の役割は全く分かっていなかった。本研究の解析から、マスト細胞は補体C5aの活性化に関与することで、マダニ感染皮膚周辺に浸潤する好塩基球の動態をコントロールし、吸血局所に好塩基球を集積させる役割を持つ可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまで、マダニ媒介性感染症はマダニ感染を防ぐことが最も効果的な対処方法であると考えられてきており、そのために殺ダニ剤などが多く用いられてきたが、薬剤耐性マダニの出現も大きな問題となっており、これに代わる手段としてワクチンを用いた手段が期待されている。 本研究において、その分子メカニズムを明らかになったため、効果的な抗マダニワクチンの開発に繋がり、学術・社会学的な意義も大きく、波及効果も高い。
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