研究課題/領域番号 |
19K07630
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分49070:免疫学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人理化学研究所 |
研究代表者 |
伊藤 亜里 国立研究開発法人理化学研究所, 生命医科学研究センター, 客員研究員 (90749772)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | Bach2 / AML / 急性骨髄性白血病 / C/EBPa / 転写因子 / BACH2 / 血球分化 / T細胞 / 白血病 |
研究開始時の研究の概要 |
急性骨髄性白血病 (AML)は、血液中の顆粒球やマクロファージなどのミエロイド系の細胞に分化する未熟な細胞が、分化できずに増殖し続ける病気である。疾患の発症機序の詳細な理解は治療法の開発に繋がる可能性がある。AMLは、様々な原因で発症することが知られており、その原因の一つに、遺伝子発現調節因子(転写因子)の機能の異常がある。Bach2は、ミエロイド系の分化を抑制する転写因子である。AML発症の一因となるC/EBPファミリーとBach2は、同じ標的遺伝子の発現を逆方向に調節している。この研究では、AMLの発症と維持へのBACH2の関与の有無を検証する。
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研究成果の概要 |
本研究では、多能性前駆細胞において、ミエロイド遺伝子を抑制するBACH2のAMLでの機能を明らかにすることを目的とした。まず、マウスで発見された前述のBACH2の機構がヒトでも存在することを臍帯血から採取したヒト造血幹細胞と免疫不全マウスを使った分化実験で明らかにした。その後、患者から採取したAML細胞でBACH2の発現を低下させることにより増殖能が低下するAML検体があることを見出した。タンパク質マルチパラメーター解析で、BACH2とミエロイド系転写因子との発現相関が高い検体と低い検体があることがわかった。この相関とBACH2によるAMLの増殖・生存の機能制御との関連性を検討している。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
血液細胞のがんであるAMLは、複数の要因で発症することが知られており、その発症と増殖維持機構の解明は個別の発症機序によるAMLの治療戦略につながる可能性がある。AMLは遺伝子の発現を調節する転写因子の機能の異常でも発症する。本来は寿命の短い単球や顆粒球に分化するはずの未熟な細胞が転写因子の異常で分化できずに増殖し続ける。本研究では、リンパ球で発現し、ミエロイド分化を抑制する転写因子BACH2のAMLでの働きを解析した。BACH2の発現を低下させると増殖が弱まるAMLが存在することがわかり、BACH2の異所性の機能亢進がAMLの維持に関与している可能性が示された。
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