研究課題/領域番号 |
19K07639
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分50010:腫瘍生物学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
梶原 健太郎 大阪大学, 微生物病研究所, 助教 (30581102)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | がん / 代償性肥大 / 脂質ラフト / CDCP1 / 腎臓 / 腎細胞がん / Met / HGF / 再生 |
研究開始時の研究の概要 |
腎がんの発症に至るまでの分子メカニズムは不明のままである。申請者は、腎臓の再生に関わるタンパク質として新たにRsp1を同定した。このRsp1は糖尿病性腎症および急性腎障害によって増加するだけでなく、腎がんの患者においても発現の上昇が認められていおり、予後の不良とも関連がみられた。これらの先行解析から、Rsp1は原疾患の段階から腎がん悪性化までの一連のプロセスに深く関与している可能性が示唆された。本研究では、「腎臓の再生と機能維持」と「腎がんの進展と悪性化」というRsp1の二面性を明らかにして、腎がん発症の理解と抑制を目指した基礎研究を展開する。
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研究成果の概要 |
腎がんの発症、悪性化に至る分子メカニズムは不明のままである。そこで腎臓の異常に関わるタンパク質を探索してCDCP1を同定した。CDCP1は近位尿細管に発現しており、代償性肥大の促進に関わること、その過程にはSTAT3-MMP経路の活性化による細胞増殖と細胞外環境の再編成が重要であることを明らかにした。がん細胞の解析では、CDCP1はがん細胞の発生に関わること、STAT3-MMP経路を介した集団的浸潤に関与することを明らかにした。以上の結果から、CDCP1は腎臓の効率的な修復を促すが、過剰に発現した場合にはがん発生や悪性化にも関与することを分子レベルで明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
がんは死因の一位であり、現在もその割合が増加し続けている。腎臓がん発症の原因のひとつに、腎臓病の進行が考えられているが、2つの疾患をつなぐメカニズムは不明のままであった。申請者は、腎臓の機能維持に重要なタンパク質CDCP1を同定した。その一方で、このタンパク質が過剰に増えた場合にはがん細胞の発生と悪性化を引き起こすことを明らかにした。以上の結果から、CDCP1の異常な発現が細胞がん化を引き起こす要因のひとつであることを明らかにした。このことは、腎臓病時のCDCP1の発現のコントロールががん化抑制に重要である可能性を示唆している。
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