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慢性炎症を基盤とした肝発がんと遺伝子発現の制御機構

研究課題

研究課題/領域番号 19K07642
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分50010:腫瘍生物学関連
研究機関広島大学

研究代表者

鎌田 英明  広島大学, 医系科学研究科(医), 准教授 (10233925)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
研究課題ステータス 交付 (2019年度)
配分額 *注記
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
キーワードNF-kB / 遺伝子発現 / 癌 / 炎症
研究開始時の研究の概要

肝臓の慢性炎症は発癌に連関するが、この分子機構にはNF-kBのシグナル系やROSが関与する。本研究では、我々が作成したNF-kBのシグナル系遺伝子の改変マウスを用いて、炎症にともなうエピゲノム制御とシグナル伝達機構を同定し、炎症にともなう遺伝子発現の制御機構と発癌との連関を解明する。さらに、この経路を制御する阻害剤・生理活性物質を同定して、炎症や発がんの制御システムを確立する。

研究実績の概要

肝臓の慢性炎症では組織特異的な機能遺伝子の発現が抑制されて機能障害が誘発される。また慢性炎症は肝発癌の基盤となる。我々はNF-kBのシグナル系遺伝子に改変を導入することにより、慢性炎症から肝硬変を自然発症するモデルマウス(TgΔIKKβマウス)を作成した。TgΔIKKβマウスは出生直後から肝小葉で広範なネクローシスが進行し、線維化の進展により肝硬変の病態を呈した。ところがジエチルニトロサミン(DEN)による化学発がん実験を行ったところ、肝細胞特異的IKKβ欠失マウスはHCCを高頻度に発生するのに対して、TgΔIKKβマウスではHCCの発生は低いレベルに抑えられていた。TgΔIKKβマウスの肝臓における遺伝子発現を解析したところ、DENを活性化するシトクロームP450(Cyp2E1)遺伝子発現が減少しており、この減少は肝小葉のゾーン3における肝細胞死が主な要因であることが判明した。さらに出生12日にCCl4で肝障害を誘発した後に出生13日でDENを投与して化学発がん実験を行った。このマウスでもゾーン3における肝細胞死が誘発されてCyp2E1の発現が減少し、HCCの発生は低いレベルに抑えられていた。従来は肝障害にともなう代償性細胞増殖が発癌のプロモーションのステップに作用することが知られていたが、本研究では炎症が遺伝子発現の改変を介して、イニシエーションのステップにおいても発癌を制御するこことが判明した。現在、発癌に連関した遺伝子発現制御の改変と、細胞死やエピゲノム制御の関係を解析している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

TgΔIKKβマウスを用いた解析により、肝障害と発癌の関係を解明することができた。さらに本研究を遂行する課程で、ネクロプトーシスと代謝連関による発癌・炎症の新たな関係を示唆するデータが得られつつある。研究は当初の計画以上の進展を見せている。

今後の研究の推進方策

本研究ではTgΔIKKβマウスを用いた解析により、肝発癌と炎症の連関について解析してきた。この過程で、ネクロプトーシスと代謝が連関することが見いだされた。今後はネクロプトーシスと代謝の連関による炎症の制御と、この制御が発癌にもたらす効果について解析してゆきたい。

報告書

(1件)
  • 2019 実施状況報告書

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公開日: 2019-04-18   更新日: 2021-01-27  

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