研究課題/領域番号 |
19K07643
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分50010:腫瘍生物学関連
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
相原 仁 徳島大学, 先端酵素学研究所, 特任助教 (80587717)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | ミトコンドリア / TNBC / 乳がん / がん |
研究開始時の研究の概要 |
がん細胞の増殖・進展が特定のがん遺伝子によるシグナル伝達経路の活性化に強く依存するという概念(Oncogene addiction:がん遺伝子中毒)は、分子標的治療の理論的基盤である。本研究は、がん特異的タンパク質BIG3によるOncogene addictionの仕組みを明らかにすることを目的とし、BIG3複合体の機能を解析する。将来的にBIG3複合体を分解し、がん細胞増殖の抑制を狙いとした創薬ペプチドの開発を行うための研究基盤を確立する。
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研究成果の概要 |
本研究は、トリプルネガティブ乳癌(TNBC)にて発現亢進を認めるBIG3タンパク質およびその中心的相互作用因子であるPHB2を含めた巨大複合体の病態生理機能の解析を遂行した。その結果、TNBCにおいてBIG3-PHB2複合体は、ミトコンドリアの内膜から外膜へ広範囲に種々の相互作用因子と複合体を形成し、ミトコンドリアの構造・機能維持に必須な役割を果たすことを証明した。BIG3-PHB2タンパク質間相互作用阻害ペプチドを用いて、この複合体形成の破壊が、TNBC細胞の増殖抑制を導くことを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
エストロゲン受容体、プロゲステロン受容体、HER2いずれも陰性のトリプルネガティブ乳がん(TNBC)は、高再発率かつ予後不良であり、明確な治療法が確立されていないため、新たな治療標的の同定、治療法の革新的アイデアが望まれる。本研究によって、TNBCにおいて、BIG3-PHB2を中心としたミトコンドリア因子巨大ネットワークが、ミトコンドリアの構造・機能維持に必須であり、同時にTNBCの脆弱性であることが示され、新たな治療標的の可能性が期待される。
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