研究課題/領域番号 |
19K07646
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分50010:腫瘍生物学関連
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研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
能正 勝彦 札幌医科大学, 医学部, 訪問研究員 (10597339)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 大腸癌 / F. nucleatum / microbiota / 免疫療法 / Fusobacterium / 免疫チェックポイント |
研究開始時の研究の概要 |
多種、多症例の消化器癌を用いてそれぞれの癌種で特定される微生物種とその分子病理学的異常や腫瘍免疫応答、さらに環境因子との関連を検討することは、日本人の消化器癌に特有のmicrobiotaが同定されることや、これまでに発癌への関与が報告されていなかった癌で新たな微生物が発見される可能性がある。またmicrobiotaの役割を解明することができれば、その発現プロファイルに基づくサーベイランス、さらには免疫チェックポイント阻害薬のバイオマーカーとして癌免疫治療を劇的に変化させる可能性もあり、様々な分野において臨床応用が期待できる。
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研究成果の概要 |
近年、大腸癌の発生・増大に腸管内常在微生物であるF. nucleatumの関与が注目されているが、ヒトの体内での実際の存在や分布、正常粘膜や前癌病変における役割は不明な点が多い。よって大腸腫瘍の発育早期におけるF.nucleatumの役割を解明するため、ESDで採取された早期大腸病変を用いてF. nucleatumのの解析を行い、さらにepigeneticな異常やnon-coding RNA(ncRNA)発現との関連を解析。同定されたF. nucleatumと関連性の高い分子異常や発癌経路を基に、マウスを用いたF. nucleatumの増殖、発癌を抑制する食餌、Probioticsを探求する。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は従来までF. nucleatum研究で用いられていない小さな大腸腫瘍とその周囲の正常粘膜の臨床検体をサンプルとする新たな試みである。その成果によりF. nucleatumが正常のヒト大腸粘膜や小さなポリープ内で腫瘍発生・増殖を促していることが示された場合、癌予防におけるF. nucleatumの重要性は高まると考えられる。また米国のコホート研究で食物繊維が豊富な食事がF. nucleatum陽性大腸癌のリスクを低下させるとの報告がなされたことで、F. nucleatumを標的とした大腸癌予防の現実味は増しており、本研究の動物実験の成果はヒトへの介入研究の礎の一つとなることが期待される。
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