研究課題/領域番号 |
19K07649
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分50010:腫瘍生物学関連
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研究機関 | 東京女子医科大学 |
研究代表者 |
増井 憲太 東京女子医科大学, 医学部, 准教授 (60747682)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 膠芽腫 / mTOR複合体 / エピジェネティクス / DNAメチル化 / 神経回路 / グルタミン酸代謝 / mTORC2 / 神経回路網 / DNMT3A / 悪性脳腫瘍 / EGFR |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、難治性の悪性脳腫瘍である膠芽腫において、エピジェネティクス変化の一つであるDNAメチル化の制御機序およびその生物学的意義を探ることを目的とする。特に、腫瘍の悪性化に関与するとされる、DNAメチル化の減少 (低メチル化形質)と、多くのがんで高頻度に起こるmTORC2異常との関連性を探索する。悪性脳腫瘍のDNA低メチル化形質を制御する新規病態の解明を試みることで、未だに有効な治療法がない膠芽腫に対して、新規治療戦略へつながりうる病態の解明を目指す。
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研究成果の概要 |
本研究は、悪性脳腫瘍である膠芽腫で高頻度に観察されるmTORC2異常が、腫瘍細胞でゲノムワイドなDNA低メチル化を誘導する新規病態を明らかとした。また、mTORC2依存的なDNAメチル化の減少が、神経回路網の形成に関与する遺伝子群の発現と相関することを網羅的解析により同定した。更に、同定経路に関連して、グルタミン酸代謝に関わる一連の遺伝子群を絞り込むのと同時に、同経路への介入により、膠芽腫細胞の増殖および浸潤能を抑制する事が可能であった。将来的には本知見を基に、グルタミン酸代謝を介する腫瘍細胞間ネットワークの破綻を狙う、新規治療戦略の構築が期待される。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、悪性度が高く有効な治療法がない脳腫瘍である膠芽腫の病態を、エピゲノムの視点から解明し、新しい治療戦略の可能性を探索する独創的な試みである。細胞株やヒト組織を使った実験病理学的な手法に加えて、次世代シーケンスやメチル化アレイを用いた網羅的解析により、腫瘍細胞と神経細胞がグルタミン酸代謝を介してネットワークを形成するという基礎的な分子メカニズムが明らかとなり、診断・治療を含む臨床応用まで視野に入れた研究へと繋がる事が期待される。
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