研究課題/領域番号 |
19K07658
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分50010:腫瘍生物学関連
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
沖田 結花里 筑波大学, 医学医療系, 助教 (30743710)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | TGF-β / がん幹細胞 / 腫瘍形成 / スフェア形成 / 細胞運動 / MafK / GPNMB / EMT |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、TGF-β関連分子(MafK、GPNMB)による幹細胞性誘導を介した腫瘍形成機構の解明し、新しい治療戦略に結び付けることを目的としている。研究は(1)MafKおよびGPNMBの機能に影響を与えうる翻訳後修飾の重要性検討(2)GPNMBの相互作用分子の探索(3)GPNMBの細胞内局在の制御についての解析(4)GPNMBの発現制御についての解析を通して、MafKおよびGPNMBによる腫瘍形成誘導機構についてより詳細にし、(5)GPNMBの機能を阻害する特殊環状ペプチドや低分子の探索を行うことで、新しい治療法の確立を目指す。
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研究成果の概要 |
本研究は、がんの根治を妨げる原因と考えられているがん幹細胞におけるTGF-β関連分子(MafK、GPNMB)の役割を解明することを目的とした。膜糖タンパク質であるGPNMBは、様々ながんでの発現亢進が知られており、私たちは乳がん細胞において、がん幹細胞様性質の誘導に関与していることを示した。GPNMBの細胞内領域に存在するセリン残基がリン酸化を受けることを明らかにし、リン酸化を受けない変異体では、腫瘍形成、スフェア形成、細胞運動、幹細胞マーカー遺伝子の発現が抑制されることを明らかにした。また乳がんだけではなく、咽頭がん細胞においても腫瘍形成に重要な役割を果たしていることを発表した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究課題によりGPNMBにはリン酸化を受けるセリン残基が存在することが明らかになった。このセリン残基のリン酸化は、GPNMBによる腫瘍形成、細胞運動能、幹細胞マーカー遺伝子の発現に重要な役割を果たすことを示した。この研究成果をもとにGPNMBを標的とした新規がん治療薬の開発につながれば、その意義は学術的にも社会的にも大きい。 また喉頭がん細胞においてもGPNMBが腫瘍形成能に関与していることを示すことができた。咽頭がんは現在のところ分子標的治療薬がなく、その開発が望まれているため、本研究の成果が分子標的治療薬の開発につながれば、その意義は学術的にも社会的にも大きい。
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