研究課題/領域番号 |
19K07679
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分50010:腫瘍生物学関連
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研究機関 | 愛知県がんセンター(研究所) |
研究代表者 |
梶野 泰祐 愛知県がんセンター(研究所), 分子診断TR分野, 主任研究員 (50723673)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | TP53 / lncRNA / 肺がん / DNA損傷応答 / miR-20a / miRNA / p53 |
研究開始時の研究の概要 |
タンパク質をコードしないnon-coding RNAはその長さから大きくmiRNAとlncRNAに分けられるが、その機能は大きく異なる。近年、肺癌におけるmiRNAとlncRNAの重要性を示唆する報告が増加する一方で、複雑なmiRNAとlncRNAの制御機構ならびにその標的遺伝子に関しては不明な点が多く残されている。本研究ではmiR-20aによるlncRNAの制御と、そのlncRNAの機能を解明し、複雑な癌の制御機構を解明することを目的とする。
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研究成果の概要 |
これまでに我々は、肺がんにおいて機能するmiR-20aの標的lncRNAを探索し、機能未知の新規lncRNAを同定した。このlncRNAはp53の発現を抑制することからTILR (TP53-inhibiting lncRNA)と命名し、その作用機序について検討を重ねた。TILR結合タンパク質はin vitroプルダウンアッセイを用いて探索・同定し、TILRによる肺がん細胞の生存制御機構は、網羅的な遺伝子発現解析ならびにパスウェイ解析により、DNA損傷応答能における重要性を明らかにした。本研究成果は、難治がんのひとつである肺がんに対し、TILRを標的とした治療法の開発に道を拓くものと期待される。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究において我々は、肺がん細胞の生存に必須の働きをするlncRNA、TILRの機能解析を行った。TILR結合タンパク質の探索および網羅的な遺伝子発現プロファイルの解析を通じ、TILRがp53タンパク質の発現を抑制するlncRNAであることを明らかにした。さらに、TILRの発現抑制とDNA損傷応答誘発剤処理により、p53の活性化を著しく誘導することを見出した。以上の結果から、本研究において我々が明らかにしたTILRによるp53の発現制御機構は、新たな肺がんの治療の提案に繋がることと期待される。
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