研究課題/領域番号 |
19K07687
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分50010:腫瘍生物学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
田中 晃司 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (70621019)
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研究分担者 |
山田 萌 大阪大学, 医学部附属病院, 医員 (00781717)
黒川 幸典 大阪大学, 医学系研究科, 准教授 (10470197)
山崎 誠 大阪大学, 医学系研究科, 准教授 (50444518)
高橋 剛 大阪大学, 医学系研究科, 講師 (50452389)
牧野 知紀 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (80528620)
松浦 記大 大阪大学, 医学系研究科, 招へい教員 (90804477)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | ミトコンドリア / 食道癌 / メチル化 / DNMT / ミトコンドリアDNA / mtDNA |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、化学療法時の治療抵抗性のメカニズムとして、①マイトファジーによるmtDNAコピー数変化とEMT誘導に関する検討、②損傷したミトコンドリアから放出されるmtDNAの運命に着目し、細胞内および細胞間の動態を検討することを目的とする。具体的には、細胞質に遊離したmtDNAはcGASSTING pathwayにより検出され、IFNγやNFkBの発現を促進し、免疫反応を惹起することで、カスパーゼ非依存的な細胞死が誘導されるかを検討する。本研究の結果、EMTの抑制による化学療法抵抗性の克服ならびに、免疫細胞の活性化による細胞死を誘導することで、治療効果を高めることにつながることが期待される。
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研究成果の概要 |
食道扁平上皮癌の細胞株において、mtDNAコピー数を人工的に減少させる細胞株および膜電位を薬物的に低下させる実験を行い、mtDNAコピー数減少が膜電位の減少を介して、ミトコンドリアと核DNAでの相互作用が生じ、DNMT発現上昇を介し、EMT関連遺伝子の発現を誘導することを確認した。また、マウス皮下腫瘍モデルにて、DNMT阻害剤はEMTを抑制し、化学療法の抵抗性を改善し、治療効果が高まることを証明した。これらの結果から、mtDNAおよびDNMTは治療抵抗性を持つ食道癌細胞の治療標的となる可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
上皮-間葉転換(EMT)は種々の癌腫において、転移や治療抵抗性に関連することが報告されている。しかしながら、EMTの誘導メカニズムおよびその制御法に関しては、未解明の部分がある。本研究成果は、これまで未解明であったEMT誘導の新しい機序を解明することに加え、EMTを抑制するためにmtDNAおよびDNMTが実際に治療標的として有望であることを示すことができた。本研究成果は癌腫を超えた応用が期待され、治療抵抗性を示す癌の治療成績向上に貢献するものである。
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