研究課題/領域番号 |
19K07688
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分50010:腫瘍生物学関連
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研究機関 | 東京理科大学 (2021) 大阪大学 (2019-2020) |
研究代表者 |
今野 雅允 東京理科大学, 研究推進機構生命医科学研究所, 助教 (80618207)
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研究分担者 |
石井 秀始 大阪大学, 医学系研究科, 特任教授(常勤) (10280736)
小関 準 名古屋大学, 医学系研究科, 准教授 (20616669)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 膵臓がん / エピトランスクリプトーム / RNAメチル化 / シークエンス |
研究開始時の研究の概要 |
我々はこれまでの研究でRNAのメチル化酵素の一つであるMETTL3の発現が膵がんの悪性化に繋がることを明らかにしている。すなわち膵がんの自然発がんマウスにMETTL3を過剰発現すると、がんの増殖が非常に早く、さらに肝臓などへの遠隔転移も引き起こすことを明らかにした。ヒトの臨床検体を用いた解析においてもMETTL3が高発現の膵がん患者は予後が悪く、マウスのデータと一致していることを確認している。我々はさらにMETTL3の発現レベルが予後に影響を与えるがん種はそのほかに胃がん、肺がんであることを確認している。そこで本研究ではRNAのメチル化がこれらのがん種において悪性化を促すメカニズムの解明を目的とする。
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研究成果の概要 |
膵臓がん全症例の5年生存率は7%、診断時からの平均生存期間は14ヶ月と大変深刻な状況にある。従って治療成績向上のために、膵がん悪性化のメカニズムに基づいた新規抗がん剤の開発は喫緊焦眉の課題である。我々はこれまでの研究でRNAのメチル化酵素の一つであるMETTL3の発現が膵がんの悪性化に繋がることを明らかにしている。そこで本研究ではRNAのメチル化酵素METTL3の阻害剤開発及びコンパニオン診断薬として忍容性の高い症例を診断するためのマイクロRNAマーカーの開発を目的とした。METTL3阻害剤のスクリーニングおよびマウスを用いた抗腫瘍活性の評価を行った結果、リード化合物数種類取得に成功した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
METTL3の発言が高い膵臓がんマウスの腫瘍は増殖が非常に速く、転移も引き起こし、生存率が非常に悪いことが明らかとなった。さらに詳細なメカニズム解析を行ったところ、METTL3は特に免疫関連遺伝子のmRNAのメチル化を亢進しており、その結果PD1, PDL1を含む免疫関連タンパク質の発現量を増加させ、自己免疫からの攻撃を回避するシステムを獲得していることが明らかとなった。つまり本研究で獲得したMETTL3の阻害剤はPL1、PDL1、CTLA4 抗体に続く新たながん免疫製剤となる可能性を秘めている。
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