研究課題/領域番号 |
19K07691
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分50010:腫瘍生物学関連
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
小林 大樹 新潟大学, 医歯学系, 助教 (20448517)
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研究分担者 |
荒木 令江 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 准教授 (80253722)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 神経線維腫1型 / MPNST / TCTP / EF1A2 / クロスリンク質量分析 / NF1 / 悪性腫瘍 / 翻訳制御 |
研究開始時の研究の概要 |
神経線維腫症1型(NF1)は多発性神経線維腫や悪性腫瘍などの多彩な病態を示す遺伝性疾患である。原因遺伝子NF1は、原がん遺伝子産物Rasを抑制する機能を有し、その欠失・変異による機能破綻が病態発症の原因とされるが、詳細な分子機序は明らかとなっていない。本研究では、NF1の腫瘍化に密接に関与するTCTP-EF1A2複合体を介した蛋白質の翻訳制御によって活性化されるシグナルネットワークを詳細に解析するとともに、TCTP-EF1A2複合体の機能を標的とした阻害薬を開発し、TCTPを中心としたNF1腫瘍発症・悪性化促進機構の解明、および新規なNF1腫瘍の治療法の開発を目指す。
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研究成果の概要 |
神経線維腫症1型(NF1)病態発症機序の解明および治療法の開発を目的として、EF1A2を含む翻訳伸長因子複合体におけるTCTPの機能を検討した。TCTPと結合するタンパク質の結合部位をクロスリンク質量分析法により解析した結果、TCTPのEF1A2への結合部位は、EF1A2とその活性化因子との結合部位の近傍であることが判明した。これらの情報を基に、TCTPとNF1腫瘍特異的な翻訳伸長因子群の結合を阻害する薬剤を選択的に用いる治療法の開発が期待される。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究成果により、TCTP-EF1A2を介した神経線維腫症1型(NF1)腫瘍の悪性化メカニズムの理解を深めることに成功し、これらの情報を基にTCTPとEF12Aを中心としたNF1腫瘍特異的な翻訳伸長因子群の結合を阻害する薬剤をスクリーニングすることによって、NF1腫瘍のより効果的な治療法の開発が期待される。したがって本研究成果は、NF1腫瘍のメカニズム解明と治療法の開発に向けた重要な一歩であり、学術的にも社会的にも大きな意義を持つと考えられる。
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