研究課題/領域番号 |
19K07709
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分50020:腫瘍診断および治療学関連
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
玄 泰行 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 非常勤講師 (80596156)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | miR-766-5p / BRD4 / CBP / MYC / 核酸抗癌薬 / NUT正中線癌 / スーパーエンハンサー / super-enhancer / WNT/β-catenin / BRD4-NUT / miRNA / WNT-β-catenin |
研究開始時の研究の概要 |
miRNAは複数のmRNAの発現を抑制するnon-coding RNAであるが、癌抑制型miRNAは核酸抗癌薬のシーズとなりうる。MYCは多くの癌で発現亢進している転写調節因子であり、細胞周期促進、癌細胞特有の代謝制御を通して癌促進的に作用する。これまでにmiRNAライブラリーによるスクリーニングから見出した癌抑制型miRNA、miR-X(lab name)がBRD4及びWnt経路を介して、MYCを著明に抑制することを明らかにしつつある。本研究では、MYC標的miRNA核酸抗癌薬の開発を目指して、miR-XのMYCを抑制する機序と抗腫瘍効果を明らかにする。
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研究成果の概要 |
MYC の活性を抑制する miRNA を in vitro でスクリーニングし、miR-766-5p を同定した。miR-766-5p は MYC の発現の高い癌細胞において、その発現を抑制し、MYCの発現の低い非腫瘍細胞のMYC発現に影響を与えなかった。機能解析の結果、miR-766-5p はスーパーエンハンサーの活性を制御する CBP の 3’UTR を、BRD4 のコーディング領域を標的として抑制し、癌細胞特異的なMYC のスーパーエンハンサーを抑制した。マウスモデルの治療実験で miR-766-5p の投与は 複数の癌細胞の腫瘍成長を抑制した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、新たな核酸抗癌薬のシーズとして miR-766-5p を同定した。miR-766-5pは BRD4 とCBP を抑制することで、スーパーエンハンサーを制御し、癌細胞特異的に MYC の発現を抑制した。miR-766-5pを用いた核酸抗癌薬は MYC が活性化している癌に対する新たな治療戦略となる可能性がある。特に希少難治癌であるNUT正中線癌は、BRD4がドライバーとなってMYCが活性化しているため、miR-766-5pを用いた核酸抗癌薬は有効な治療法となる可能性がある。
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