研究課題/領域番号 |
19K07711
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分50020:腫瘍診断および治療学関連
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研究機関 | 北里大学 (2020-2022) 名古屋大学 (2019) |
研究代表者 |
清成 信一 北里大学, 医学部, 講師 (70570836)
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研究分担者 |
西尾 信博 名古屋大学, 医学部附属病院, 特任講師 (00586430)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 神経芽腫 / 合成致死 / MYCN / 代謝拮抗剤 / 化学療法 |
研究開始時の研究の概要 |
小児がんの一種である神経芽腫ではMYCファミリーに属するMYCN遺伝子の増幅が予後不良と強く相関する。この難治性神経芽腫に対する治療法の開発を目指して新しい治療標的分子の探索を行った結果、核酸代謝拮抗剤の有効性が明らかとなった。本研究では核酸代謝拮抗剤による新しい難治性神経芽腫の治療コンセプトを実証する。また、MYCN増幅型細胞に特異的な作用メカニズムを理解することにより、薬効を更に増強するための鍵となる分子を同定する。
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研究成果の概要 |
チミジル酸合成に関わる酵素群に対する阻害剤は肺がんや大腸がんなどの成人がんの治療に広く用いられているが、小児がんである神経芽腫に対する有効性は十分に検討されていない。そこで本研究では国内外で承認済みの葉酸代謝拮抗剤3種の抗腫瘍効果を測定し、その分子メカニズムの解明を行った。その結果、ラルチトレキセドはMYCN増幅型の神経芽腫細胞株に対して選択的に増殖阻害効果を示した。薬剤処理時に細胞内で誘起されるDNA損傷応答の速さと程度に大きな差が見られたことから、MYCN増幅型の神経芽腫細胞内で亢進したDNA複製が各種の葉酸代謝拮抗剤に対する感受性を高めている可能性が示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
希少な小児がんである神経芽腫の治療には成人がん用の抗がん剤が用いられている。そのため、小児がんの特性を踏まえた安全かつ治療効果の高い新規治療法の開発が望まれている。本研究により、特に悪性度の高いMYCN遺伝子増幅タイプの神経芽腫細胞が既存の葉酸代謝拮抗剤に対して高い感受性を示すことが明らかとなった。MYCN遺伝子の増幅がみられる患者さんに対しては低用量の葉酸代謝拮抗剤で治療効果が得られる可能性が示された。
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