研究課題/領域番号 |
19K07713
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分50020:腫瘍診断および治療学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
呉 しん 大阪大学, 医学系研究科, 招へい教員 (00764739)
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研究分担者 |
山本 浩文 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (30322184)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 癌幹細胞 / モノクロ―ナル抗体 / Sdc4 / Sdc4 |
研究開始時の研究の概要 |
癌組織は自己複製能や多分化能を有し、子孫の細胞を作り続ける少数の細胞集団(癌幹細胞)と最終的に腫瘍形成能を失う細胞集団(非癌幹細胞)の二群からなる。現在臨床で行われている抗がん剤治療や放射線治療によって非癌幹細胞は死滅するが、治療抵抗性を示す癌幹細胞集団は生き残り、これが後に癌の再発や転移をきたす。従って、「癌幹細胞を標的」とした治療剤の研究開発は究極の癌治療であるが、未だ有効な治療法の開発には至っていない。本研究課題では我々は、新規癌幹細胞遺伝子Sdc4を標的とした治療剤(抗体、核酸)を作製して、診断・治療の両面から癌の根治を目指す。
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研究成果の概要 |
新たに取得したSdc4モノクロ―ナル抗体に微小管阻害剤MMAEを結合させたADC (antibody drug conjugate) は癌幹細胞モデル細胞に著効したが、正常の膵管上皮細胞や腎近位尿細管上皮細胞には細胞障害を与えなかった。膵臓癌細胞由来のCSCモデル細胞を皮下移植した担癌マウスを用いて治療実験を行ったところ、ADC抗体投与群では肉眼的に腫瘍は消退し、組織学的にも腫瘍細胞は認められず癌幹細胞の根治が達成された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
癌幹細胞は癌の根源であり、その駆除が究極の癌治療と考えられている。しかし、放射線や抗癌剤など各種の治療抵抗性の癌幹細胞を全滅させることは容易ではなくこれまでに実現されていない。本研究課題の中で私達は独自に作成したモノクロ―ナル抗体によって、マウス実験で癌幹細胞モデル細胞を移植した皮下腫瘍を消滅させ、組織検索でも瘢痕化させることに成功した。この結果は、癌幹細胞の治療開発に大きな意義があり、癌の根治の可能性を切り拓くもので、その医学的、社会的意義は大きい。
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