研究課題/領域番号 |
19K07716
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分50020:腫瘍診断および治療学関連
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
市川 大樹 慶應義塾大学, 薬学部(芝共立), 助教 (60462793)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 多発性骨髄腫 / 免疫調節薬 / CRBN非依存性 / lncRNA / LncRNA / IMiDs / 耐性 / レナリドミド / 薬剤耐性 |
研究開始時の研究の概要 |
近年, 大規模なトランスクリプトーム解析を基に効率的な創薬標的分子の探索が行われている. この中で膨大な種類の長鎖非コードRNA (lncRNA)が同定され注目されている. これはmRNAよりも格段に多く発現しているが, 発現の特異性や発現調節機構が複雑で全体像はわかっていない. 多発性骨髄腫は, 溶骨性変化や腎障害などを呈する致死性造血器腫瘍の一つである. 近年,レナリドミドなどの登場により治療改善が見られているが, これらの薬剤に抵抗性を示す多発性骨髄腫が多数存在している. 本研究では lncRNAに着目し, レナリドミド抵抗性多発性骨髄腫における耐性機構を解明し新規治療の開発に繋げる.
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研究成果の概要 |
本研究では多発性骨髄腫におけるレナリドミド感受性についてDNA microarray・GSEA解析により, レナリドミド感受性細胞株で高発現するlncRNAを3種類(XIST, OVAAL, LINC02397)を同定した. さらにXISTlowOVAALhigh LINC02937low患者において有意に予後不良であり, GSEAの結果より多発性骨髄腫の予後不良に関与する遺伝子群”ZHAN MULTIPLE MYELOMA MS UP”がエンリッチされていた. このエンリッチされた遺伝子群中の1遺伝子がレナリドミド抵抗性に寄与することを過剰発現系などの結果より明らかとした.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
多発性骨髄腫(MM)においてIMiDs やPIs といった薬剤が開発され治療効果が得られているが, これらの治療薬をもってしても治癒に至らず, さらには抵抗性を示す難治性多発性骨髄腫がある. 本研究においてレナリドミドの感受性に起因するlncRNAとしてXIST, LINC02397を同定した. これらlncRNAのさらなる分子機序を解明することで, 臨床現場においてがん患者さんへの薬剤選択に役立つといったプレシジョン・メディシンへの応用に繋がり, 難治性多発性骨髄腫だけでなく予後絶対不良なマントル細胞リンパ腫に対する新規治療薬開発に繋がることが期待される.
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