研究課題/領域番号 |
19K07718
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分50020:腫瘍診断および治療学関連
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研究機関 | 東京医科大学 |
研究代表者 |
若松 英 東京医科大学, 医学部, 講師 (40632617)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | LAG-3 / T細胞 / トロゴサイトーシス / MHC class II / 免疫チェックポイント分子 / 腫瘍免疫 / イメージング |
研究開始時の研究の概要 |
LAG-3は疲弊化T細胞に高発現していることから免疫チェックポイント阻害剤の新たな標的として注目されており、米国で臨床試験が進められている。しかしながら、LAG-3による免疫抑制作用の詳細なメカニズムは十分に理解されておらず、LAG-3遮断による抗腫瘍免疫応答の増強メカニズムは不明である。我々は先端的分子イメージングによる新たな見地から研究を進めることで、LAG-3を介した新たなT細胞抑制機構の可能性を見出している。本研究では、分子イメージング解析で得られた新たな知見を基に、LAG-3を介したT細胞抑制の作用機序を明らかにし、LAG-3遮断による免疫賦活化への応用と理解のための基盤を創出する
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研究成果の概要 |
LAG3は免疫チェックポイント分子阻害剤の標的として注目され、抗LAG3抗体と抗PD1抗体の併用療法は悪性黒色種に対し、高い奏功率を示すことが報告されている。しかし、LAG3の免疫抑制機構は未だ十分には理解されておらず、抗LAG3抗体によるT細胞賦活化機構も不明である。本研究では当研究室で開発した分子イメージング法を用いて、LAG3を介した免疫抑制機構の解明を試みた。本研究結果から、LAG3発現T細胞はMHCクラスIIを抗原提示細胞や腫瘍細胞から取り除き、CD4 T細胞を抑制するというLAG3を介した新たな免疫抑制機構を見出した。これらの成果はがん免疫の減弱機構の理解に繋がることが期待される。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
LAG3を含めた免疫チェックポイント分子の多くが、分子機構や作用機序に関して十分な理解がなされておらず、臨床応用のみが先行している。そのため、患者選定や複合免疫療法などの可能性を考慮する際の科学的な根拠は十分ではない。本研究では、分子イメージング法という新たな視点からLAG3を研究することで、LAG3発現T細胞の新たな機能を明らかにした。これらの結果は抗LAG3抗体はCD8 T細胞の直接的な活性化、CD4 T細胞を介した間接的な活性化によって抗腫瘍免疫応答を亢進させている可能性が示唆している。このように抗LAG3抗体の免疫賦活化機構を提案できたことは、学術的、社会的に非常に意義がある。
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