研究課題/領域番号 |
19K07726
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分50020:腫瘍診断および治療学関連
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
清水 公裕 信州大学, 学術研究院医学系, 教授 (90375535)
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研究分担者 |
矢島 俊樹 群馬大学, 大学院医学系研究科, 准教授 (20346852)
横堀 武彦 群馬大学, 未来先端研究機構, 准教授 (60420098)
中澤 世識 群馬大学, 医学部附属病院, 助教 (60791978)
調 憲 群馬大学, 大学院医学系研究科, 教授 (70264025)
尾林 海 群馬大学, 医学部附属病院, 助教 (70726249)
永瀬 浩喜 千葉県がんセンター(研究所), がん遺伝創薬研究室, 研究所長 (90322073)
渡部 隆義 千葉県がんセンター(研究所), がん研究開発グループ, 研究員 (60526060)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 肺癌 / 高悪性度肺神経内分泌腫瘍 / Stathmin 1 / PIP化合物 / タキサン系抗がん剤 / 神経内分泌腫瘍 / STMN1 / ピロールイミダゾームポリアミド / 小細胞癌 / スタスミン / 肺がん / 微小管 / パクリタキセル / 肺小細胞癌 / 大細胞性神経内分泌腫瘍 / Stathmin-1 / SCLC / LCNEC |
研究開始時の研究の概要 |
通常の肺癌(非小細胞性肺癌)の治療においては主役をなすタキサン系抗がん剤が、HGNE(SCLC+LCNEC)に対して効果を示さない理由としては、HGNETでのSTMN1過剰発現が原因である可能性が高い。ピロールイミダゾームポリアミド(PIP)化合物は本邦で開発された任意の遺伝子の発現を特異的に抑えることができる次世代の抗がん化合物である。PIP化合物を利用してSTMN1を抑制し、その効果によりHGNETに対する抗腫瘍効果およびタキサン系抗がん剤増感効果が得られることを証明できれば、今後、HGNETはもちろん、STMN1の発現が高い肺癌全体に対する新規治療の開発に繋がる。
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研究成果の概要 |
本研究では、微小管不安定化因子SMNN1を過剰蓄積するHGNET細胞株に対してSTMN1特異的阻害剤であるSTMN1 PIPがHGNET細胞株の増殖、浸潤、抗がん剤感受性に与える影響を検討した。さらに、担癌モデルマウスに対してSTMN1特異的PIPとタキサン系抗がん剤を併用する意義を検討した結果、併用群はコントロール群、STMN1単独群、タキサン系抗がん剤単独群と比較して有意な腫瘍サイズの縮小が観察された。また動物実験においてSTMN1 PIP投与は体重減少など顕著な副作用は観察されず、難治性HGNETに対する治療ツール有望であることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
タキサン系抗がん剤は癌診療において重要な治療ツールであるが、STMN1を過剰蓄積する腫瘍には効果が不十分であることは臨床上の問題である。この治療抵抗性を克服するためにSTNN1を抑制する治療ツール開発研究が注目されている。本研究成果によりSTMN1を過剰発現するHGNETに対してSTMN1特異的PIP阻害剤が顕著な副作用を引き起こすことなくタキサン系抗がん剤の増感作用を示すことが明らかとなった。今後、このSTMN1 PIPによるタキサン系抗がん剤増感効果を臨床試験で証明することができれば、難治性HGNET患者にとって治療抵抗性克服、予後延長を目指した新たな治療ツールとなることが期待される。
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