研究課題/領域番号 |
19K07728
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分50020:腫瘍診断および治療学関連
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研究機関 | 山梨大学 |
研究代表者 |
吉村 健太郎 山梨大学, 大学院総合研究部, 講師 (70516921)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | がん診断 / メタボロミクス / 質量分析 / 迅速診断 / 機械学習 / 内視鏡 |
研究開始時の研究の概要 |
通常の内視鏡生検では組織の採取に鉗子や針を用いるが、本研究で開発する装置では糸状の素材(ライン)を用いた検体採取を行う。モータで駆動されるラインは内視鏡鉗子孔を通り内視鏡先端に到達し、組織に接触することで検体を採取する。採取された検体は再び鉗子孔を通って質量分析装置に高速輸送され、成分分析が行われる。また質量分析で得られたマススペクトルに含まれる全情報を対象に、AIによる判別分析を行うため、分子マーカーや、経験的な病理診断を超えた診断性能を発揮することができる。以上の要素を統合し、内視鏡検査時にリアルタイムでがんの診断結果を提示することが可能な統合システムを構築することを目的としている。
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研究成果の概要 |
内視鏡検査時にリアルタイムで悪性腫瘍を検出するために、糸状の素材(ライン)を用いて組織を採取し、次いで患者体外へと移送する機構を構築した。組織はラインにより質量分析装置へと運ばれるが、そこで抽出とイオン化を同時に行うためのエレクトロスプレーイオン化法を基盤とした新規イオン源の構築も行った。また多数の患者より得られた正常粘膜および大腸がん組織を分析することで構築された組成データベースを、機械学習の一種であるサポートベクターマシンで学習し、悪性腫瘍であるか否かを判別することが可能な診断アルゴリズムを構築した。判別性能を一個抜き交差検証で評価したところ、病理診断との一致率は86%であった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究で構築された「AI型質量分析内視鏡がん診断支援システム」は、数ミリの細いチューブを介して、生きている人間の体内や既存の器具では到達しにくい狭い場所(特に消化管内腔)へアクセスし、組織をわずかに採取して迅速に体外へと移送し、リアルタイムで詳細な成分分析を行うことを可能とする。内視鏡検査において実用化されている計測機器のほとんどは光学カメラによって画像を取得するものであり、その場では詳細な分析結果を得られないが、当該システムを利用すれば、検査で得られる情報量が一気に拡大するため、悪性腫瘍を始めとした各種疾患の初期スクリーニングの確度を向上させることが可能となる。
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