研究課題/領域番号 |
19K07730
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分50020:腫瘍診断および治療学関連
|
研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
岸本 浩行 岡山大学, 医学部, 客員研究員 (50613155)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
|
キーワード | 温熱療法 / 磁性ナノ粒子 / 腹膜播種 / 胃癌 / 温熱治療 / 磁性体ナノ粒子 |
研究開始時の研究の概要 |
腹膜播種の克服は胃癌の生存率の向上に必須である。腹膜播種は、原発巣から遊離した癌細胞が、大網の乳斑や横隔膜にあるリンパ管基始部(小孔、ストマータ)と呼ばれるリンパ装置に特異的に着床して生じると考えられている。本研究では、新規磁性体粒子(イットリウム鉄ガーネット)の腹腔内投与を行い、その磁性体粒子を選択的に乳斑やストマータに集約させたのちに磁場印加による加熱を誘導せしめ、その温熱効果にて、乳班やストマータに着床している腹膜播種の原因となる胃癌細胞を根絶させる治療技術の基礎開発を行う。
|
研究成果の概要 |
本研究では胃癌の腹膜播種マウスモデルにおいて、磁性ナノ粒子として超常磁性酸化鉄ナノ粒子(SPION)を使用して磁気温熱療法を試みた。SPIONを腹腔内投与し、交流磁場を印加し磁気温熱療を行ったところ、未治療群と比較して腹膜播種形成は有意に抑制された。本研究により、磁性ナノ粒子と交流磁場を用いた磁気温熱療法は胃癌の播種病変に対する新規治療法となることが示唆された。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
胃癌は、肉眼的に病巣を完全切除できても、腹腔内遊離癌細胞を認めた場合は、術後5年で9割が腹膜播種再発で死亡する。播種病変は標準治療である化学療法では治療困難であるため新たな治療が求められている。我々は、これまで播種病変に治療応用されたことがない交流磁場焼灼療法に注目した。本研究では、発熱能力の高い磁性ナノ粒子を腹腔内投与し、磁場印加して磁性粒子を発熱させて腹膜播種再発の原因となる遊離癌細胞を選択的に死滅させる治療コンセプトを証明し、新しい胃癌治療の可能性を示した。
|