研究課題/領域番号 |
19K07733
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分50020:腫瘍診断および治療学関連
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研究機関 | 福岡大学 (2020-2021) 九州大学 (2019) |
研究代表者 |
井上 博之 福岡大学, 医学部, 准教授 (80529967)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | ICD / DAMP / NSCLC / Calreticulin / ICD : 免疫原性細胞死 / EGFR-TKI / CRT / 肺癌 / 免疫原性細胞死 / DAMPs / 免疫原性細胞死(ICD) / 薬物療法 / 免疫チェックポイント阻害剤 |
研究開始時の研究の概要 |
近年、多数の複合癌免疫療法臨床試験(免疫チェックポイント阻害剤+化学療法、放射線治療等)が実施されており、進行非小細胞肺癌患者において一定の相乗的抗腫瘍効果が得られている。その要因のひとつとして、一部の化学療法が免疫原性細胞死(ICD)と呼ばれる癌細胞死を惹起することで新規腫瘍抗原に対する二次的(続発性)T細胞性免疫応答を増強するメカニズムが注目されている。本研究では、複数の培養肺癌細胞株に複数の化学療法及び分子標的薬で処理後、傷害を受けた癌細胞におけるICDの指標である各種DAMPs分子を定量解析することでICD誘導能を比較解析し、最も強くICDを誘導する薬剤を同定することを目的とする。
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研究成果の概要 |
免疫チェックポイント阻害薬と抗癌剤の相乗効果に、癌細胞死の過程でDAMPsの放出で特徴づけられる免疫原性細胞死 (ICD)の関与が示唆されている。本研究で、6種類のNSCLC細胞株において、代謝拮抗薬及び微小管阻害薬はプラチナ系抗癌剤より強くEcto-CRTおよびeIF2αのリン酸化を誘導すること、Ecto-CRT発現量とアポトーシス誘導能の強い正の相関を明らかにした。第三世代EGFR-TKIオシメルチニブもNSCLC細胞株においてEcto-CRT発現量を増加させた。さらに、ペメトレキセド/ドセタキセル単剤およびオシメルチニブで治療した進行期肺癌患者において血中可溶性CRT濃度の増加を認めた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究結果より、代謝拮抗薬、微小管阻害薬及び第3世代EGFR-TKIオシメルチニブは、複数のNSCLC細胞株におけるEcto-CRT発現量及びNSCLC患者血液中の可溶性CRTを効果的に誘導し、これらの薬剤は長期抗腫瘍効果を期待できるICIを含む複合免疫療法において、ICDを誘導することで抗腫瘍免疫効果の増強に寄与している可能性が示唆された。また、今後CRTのみでなくその他のDAMP分子を含む統合解析により、これらDAMP分子が治療効果予測バイオマーカーとなりうる可能性も示唆された。現在我々は、血中DAMP分子値とICI治療効果の相関解析を進めている。
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