研究課題/領域番号 |
19K07737
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分50020:腫瘍診断および治療学関連
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研究機関 | 岩手医科大学 |
研究代表者 |
王 挺 岩手医科大学, 歯学部, 特任講師 (70416171)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 進行肝癌 / 分子標的薬 / TGF-βシグナル / VEGFシグナル / 細胞増殖 / 細胞浸潤 / 血管新生 / 浸潤肝癌 / 細胞増殖と浸潤 / TGF-β / Sorafenib / Regorafenib / Lenvatinib / 肝癌細胞 / 化学療法 / TGF-bシグナル |
研究開始時の研究の概要 |
我々はこれまで、5-FUが肝癌細胞に対して細胞毒性を示す反面、TGF-βを介して浸潤性発育を誘導する可能性があること、IFNα-2b との併用は、5-FU 単剤の欠点を克服し、進行肝癌に対して相乗的な治療効果を発揮することが明らかにした。また、併用療法の効果は、B型、C型肝炎ウイルス背景によって異なる可能性もあると考えられる。本研究では、TGFβシグナルの調節機構に着目し、5-FUの臨床適応性の有否、IFNα-2bの代替薬の開発及び異なるウイルスの背景を持つ肝癌に対する化学療法の選択など課題の解決に向けて、進行肝癌に対するオーダーメイド化学療法を検討する。
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研究成果の概要 |
1.Sorafenibは細胞増殖に対して強力な抑制作用を示す反面、TGF-βと類似な細胞浸潤を誘導する作用も示した。一方、Lenvatinib はSorafenibに比べ、弱い細胞毒性を示したが、TGF-βによる細胞の浸潤誘導を抑制した。2.Sorafenibは、Lenvatinibに比べ、細胞毒性作用が弱く、血管新生を誘導した。一方、Lenvatinibは濃度依存的に細胞毒性作用を示し、TGF-βによる血管新生の誘導を抑制した。その二つの分子標的薬の作用には、TGF-βシグナルとVEGFシグナルの制御が関与することが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
現在、進行肝癌に対して、SorafenibおよびLenvatinibを代表となる各種分子標的薬の臨床応用が中心となっている。 SorafenibおよびLenvatinibの抗癌作用は血管新生を抑制するだけでなく、増殖シグナルも抑制するが、その作用機構にTGF-βシグナルの制御が関与するかどうかはまだ明らかになっていない。本研究は、これら治療に対する癌細胞の反応性の根底に位置すると考えられるTGF-βシグナルの作用機構を明らかにすることによって、肝癌のみならず抗がん治療に共通する治療薬および併用薬の開発に繋げられると考えている。
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