研究課題/領域番号 |
19K07747
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分50020:腫瘍診断および治療学関連
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研究機関 | 愛知県がんセンター(研究所) |
研究代表者 |
羽根田 正隆 愛知県がんセンター(研究所), 腫瘍免疫制御TR分野, 研究員 (50436995)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 形質細胞 / ナイーブB細胞 / ゲノム編集 / 抗体医薬 / B細胞 / スプライシング / IgM / in vitro 分化誘導 |
研究開始時の研究の概要 |
末梢血中のナイーブB細胞をゲノム編集により元々の抗体産生機能を欠失させ、抗体医薬を産生できる長期生存形質細胞に分化誘導する。 自己由来の細胞であり自己への移植が可能である。 長期生存形質細胞は極めて長寿命であり、生着したのち長期間抗体薬を産生し続けるため、繰り返し薬剤を投与する必要がなくなると考えられる。 抗体医薬品の開発費や特許料など知的財産権については、使用する抗体医薬の遺伝子配列に対してライセンス料を支払うことで保証される。 また発現細胞・発現ベクターのライセンス料や精製・製品のバリデーションなどの諸費用を削減することができ、医療費の抑制につながると考える。
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研究実績の概要 |
研究のゴールは、末梢血中のナイーブBリンパ球をゲノム編集により元々の抗体産生機能を欠失させると同時に抗体医薬をノックインし長期生存形質細胞へと分化誘導することである。長期生存形質細胞を利用できれば抗体医薬を産生し続けることで繰り返し薬剤を投与する必要がなくなり、医療経済的にも有用な手段と考える。 本年度は、まずヒト細胞株の中で特にIgM産生が観察されているBリンパ球細胞株(JCRB0117 B104およびJCRB0035 RPMI 1788)をJCRB細胞バンクより購入した。B104は重鎖はIgMとIgDを、軽鎖はIgKを細胞表面に発現しいる。またRPMI 1788は重鎖はIgMを、軽鎖はIgLを細胞表面に発現しいる。前年度設計したIgHμの重鎖が軽鎖と重合する際には定常領域CH1のシステインの前方に存在するPAMサイトをターゲットとしたgRNAを作成し、IgMの発現に与える影響について検討を行なった。B104およびRPMI 1788の細胞表面にIgMの発現しないクローンを樹立した。特にIgM- B104ではIgDの発現は保たれておりIgKをノックダウンすることでIgDの発現も減弱化すると思われたが、発現レベルに変化はなかった。そこでIgHδの重鎖が軽鎖と重合する際には定常領域CH1のシステインの前方に存在するPAMサイトをターゲットとしたgRNAを設計・作成した。それぞれを順次ノックアウトすることで、IgM, IgK, IgDの発現しないB104クローンを樹立することができた。 今後は細胞株からヒト末梢血ナイーブ Bリンパ球を使用した実験系に移行し、免疫グロブリン発現のない長期生存形質細胞の樹立を試みる予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
ヒト細胞株の中で特にIgM産生が観察されているBリンパ球細胞株(RPMI 1788及びB104)を購入し、RNP導入効率や遺伝子編集効率(Indel, HDR)について検討を行う予定であった。しかし購入した細胞株の培養に難渋し、実験の遂行に遅れが生じてしまった。 JCRBの担当者と連絡を取り、現在では安定的に培養・凍結保存・再培養できるようになっている。細胞株を利用した実験結果に基づき、本年度中にヒト末梢血naiveBリンパ球を用いた実験系への移行する予定であったが、実現できなかった。
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今後の研究の推進方策 |
今後直ちに細胞株からヒト末梢血ナイーブBリンパ球を使用した実験系へ移行する。 常染色体劣性高IgM症候群の原因遺伝子の一つであるAICDAが欠損した場合にはIgMからクラススイッチ組換え(CSR)が起こらず、体細胞超変異(SHM)も生じない。マウスの実験系ではあるがIgM産生長期生存形質細胞も存在しうると報告(Nat Commun.2016.Aug16;7:12687)があることから、本年度AICDAのgRNAの設計および作成を行った。 まずヒト末梢血naive Bリンパ球に対してAICDAのgRNAを使用し、クラススイッチ組替えが抑制されたIgM産生形質細胞の分化誘導を行う。次いで本年度確立したIgHμ、IgHδ、Igκ鎖のノックアウトを行い、最終的に免疫グロブリン発現のない形質細胞の樹立を試みる。
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