研究課題/領域番号 |
19K07754
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分50020:腫瘍診断および治療学関連
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研究機関 | 福島県立医科大学 |
研究代表者 |
望月 一弘 福島県立医科大学, 医学部, 講師 (30448633)
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研究分担者 |
菊田 敦 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (40224894)
佐野 秀樹 福島県立医科大学, 医学部, 准教授 (20448632)
小林 正悟 福島県立医科大学, 医学部, 助教 (30566849)
高橋 信久 福島県立医科大学, 医学部, 助手 (30769485)
郷 勇人 福島県立医科大学, 医学部, 講師 (30443857)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | がん免疫療法 / 同種免疫反応 / がんワクチン療法 / CD4陽性T細胞 / がん免疫微小環境 / 細胞傷害性T細胞 / 癌免疫微小環境 / 腫瘍特異的細胞傷害性T細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
癌に対する細胞免疫療法は画期的な治療法として注目されているが、癌免疫微小環境(Tumor immune microenvironment:TIME=癌細胞が自己の増殖に好都合な環境を支持細胞や腫瘍内浸潤細胞と協調して作り上げた局所環境)において、抗腫瘍免疫が誘導されるメカニズムには不明な点が多い。本研究では、我々が確立した癌免疫療法モデルを用い、対照群と比較して、①TIMEにおける各構成細胞別にmRNA発現プロファイルを行う、② 血漿中の細胞外小胞に含まれるマイクロRNAの網羅的解析を行う。両解析から抗腫瘍免疫誘導に係る因子を同定し、TIMEにおいて抗腫瘍免疫が誘導されるメカニズムを解明する。
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研究成果の概要 |
同種CD4陽性T細胞群及びコントロールとして投与した同系CD4陽性T細胞群において、腫瘍内から分離したドナー活性化CD4陽性T細胞におけるRT-PCRを実施し、腫瘍内投与後24時間において同種CD4陽性T細胞群にて強いIL-2産生を認めた。 mRNAマイクロアレイによる網羅的な遺伝子発現解析では、同種CD4陽性T細胞群の同系CD4陽性T細胞群に対する発現比が10倍以上高い分子が119個同定された。その中で免疫調節に関与する13分子が同定された。また、免疫調節における機能が未知であるものの同発現比が50倍以上高い8分子が同定された。今後、同分子(群)の抗腫瘍免疫誘導への関与を精査する予定である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
癌に対する第四の治療法として細胞免疫誘療法の有効性は公知となり、腫瘍局所における腫瘍細胞と免疫細胞との相互作用の理解が進むにつれ腫瘍免疫微小環境(Tumor immune microenvironment: TIME)の重要性が認識されてきている。我々は、同種免疫反応というこれまでにないアプローチにより、TIMEにおいて抗腫瘍免疫を誘導することに成功し、本研究における網羅的遺伝子発現解析にて、抗腫瘍免疫誘導に関連する複数因子の同定に成功した。これらTIMEにおける局所動態の解明及びそこから得られる知見は、新たな細胞免疫療法の開発や既存の細胞免疫療法の効果増強に大きく資するものと期待される。
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