研究課題/領域番号 |
19K07762
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分50020:腫瘍診断および治療学関連
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研究機関 | 大阪医科薬科大学 |
研究代表者 |
竹内 利寿 大阪医科薬科大学, 医学部, 准教授 (30445986)
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研究分担者 |
森脇 一将 大阪医科薬科大学, 医学部, 講師 (00467656)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | O-GlcNAc修飾 / FOXM1 / FBXL2 / O-GlcNAc 修飾 |
研究開始時の研究の概要 |
全ての癌に著効を示す治療薬を、人類は未だに手にできていない。癌を淘汰するには、癌に共通して異常となった幅広い影響力を持つ「システム」を標的にする必要があると、申請者は考える。O-GlcNAc 糖鎖修飾は、グルコース代謝物を基質とする核内細胞質内タンパク質の翻訳後修飾システムであり、その亢進は、癌細胞の特性形成に働いて癌の成長を促進する、癌の基本的特徴である。つまり、O-GlcNAc 修飾を病態レベルから正常レベルに戻す治療は、あらゆる癌治療に応用できる可能性を秘めている。本研究では、胃癌を例に O-GlcNAc 修飾およびその関連分子を標的とした診断および癌治療の可能性を追求する。
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研究成果の概要 |
O-GlcNAc修飾は、グルコース代謝物を基質とした翻訳後修飾であり癌細胞内で亢進して癌進展に働くが、その機能の全容は分かっていない。本研究では、O-GlcNAc修飾の亢進が、癌で過剰発現して癌進展に働く転写因子FOXM1の発現を増加させることを示した。胃癌細胞株において、O-GlcNAc脱離酵素OGAを阻害しO-GlcNAc修飾を亢進させると、細胞増殖が促進し、抗腫瘍薬の効果が減弱した。一方、O-GlcNAc付加酵素OGTの阻害により、細胞増殖が低下し、抗腫瘍薬の効果が増強した。以上から、癌細胞の増殖能及び抗腫瘍薬への耐性能を高めるOGTやFOXM1は癌治療の標的となる可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
癌で上昇するO-GlcNAc修飾は、癌の治療標的として期待されてきたが、O-GlcNAcの標的分子が多岐に渡り、その機能の全容は分かっていなかった。本研究により、O-GlcNAc修飾が、癌の予後不良マーカーとして注目されているFOXM1の発現を制御して癌の進展に強く影響していること、また、抗腫瘍薬の効果をも左右していることが明らかになった。これらの結果は、癌の特性を知り、新しい癌治療の可能性を追求する上で役立つものと期待される。
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