研究課題/領域番号 |
19K07780
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分50020:腫瘍診断および治療学関連
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
楠木 総司 順天堂大学, 医学部, 非常勤講師 (50459103)
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研究分担者 |
江口 英孝 順天堂大学, 大学院医学研究科, 先任准教授 (00260232)
平山 貴士 順天堂大学, 医学部, 助教 (20816962)
藤野 一成 順天堂大学, 医学部, 准教授 (40543666)
吉田 惠美子 順天堂大学, 大学院医学研究科, 助教 (90825788)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 重複癌 / 子宮体癌 / 卵巣癌 / 転移 / 遺伝子パネル / 婦人科癌 / 若年発症 / 遺伝子解析 |
研究開始時の研究の概要 |
癌の治療法選択における重要な因子は癌の病期である。病期診断は、長期予後や術式の選択および治療法が大きく異なるため、その鑑別は臨床において極めて重要となる。重複癌と転移性癌の分子生物学的因子の相違を解明できれば、これを利用したマルチ遺伝子パネルを設計し、正確な病期診断に基づく適切な治療選択が可能となり、卵巣温存へのエビデンスともなりうる。同じ重複癌であっても、若年性症例と非若年性症例で原因遺伝子に差異があれば、これを標的とした診断、治療効果判定、治療法選択も可能となると考えられる。また、発症や進展に重要なドライバー遺伝子が明らかになれば、婦人科癌の個別化治療に対して大きく貢献しうる。
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研究成果の概要 |
RNAの発現パターンを転移症例と重複癌症例で比較すると、転移症例では原発腫瘍と転移部腫瘍で同じ発現パターンを示し、重複癌ではそれぞれの原発腫瘍組織で異なる発現パターンを認めた。また、転移腫瘍組織で優位に発現する遺伝子variantを検証すると、ERCC, SPEN, DICER1, ATRのvariantが優位に発現していることが示された。さらに、同一症例のDNAを用いてInfinium Methylation EPIC Bead Chipを用いてメチル化定量解析を実施した結果、転移症例では一致、重複癌では不一致のエピゲノムパターンを示し、RNAseqと同様の傾向を示すことが明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
婦人科悪性腫瘍における若年発症および重複癌の代表例は遺伝性乳癌卵巣癌症候群やリンチ症候群であり、近年その遺伝子変異の頻度や治療法について研究が進められている。しかし一方で、遺伝性乳癌卵巣癌症候群やリンチ症候群以外の同時性・異時性の重複癌についての報告は少なく、原因遺伝子の特定には至っていない。本研究では、婦人科悪性腫瘍の同時もしくは異時性の重複癌症例を特異的に抽出し、マルチ遺伝子パネル検査を用いて網羅的に癌関連遺伝子の解析を実施することによって、重複症例における子宮体癌と卵巣癌の癌種に共通の遺伝子異常の解析から発がん機構の解明、臨床所見、予後について検討することを目指す。
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