研究課題/領域番号 |
19K07793
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分51010:基盤脳科学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
吉田 盛史 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 講師 (30723259)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | 視覚野 / デコーディング / 集団活動 / イメージング / マウス / 視覚 / 大脳皮質 / 高次視覚野 / 2光子カルシウムイメージング / ポピュレーションコーディング |
研究開始時の研究の概要 |
大脳皮質視覚野においては、動きや形など視覚の特徴に応じて、それぞれが異なる脳領野で処理される。しかし、各領野の細胞集団にどのような情報が表現されているのか、また、各領野で表現される情報がどのように統合されるのかに関しては不明な点が多い。本研究では、マウス視覚野を対象として、細胞集団活動での領野特異的な情報表現及び領野間での情報表現の統合の解明を目的とする。複数の領野の活動を同時記録し、領野内、領野間の相関活動が情報表現に果たす役割を調べる。また、脳活動は脳や動物の状態に依存して変化することが知られているので、集団活動による情報表現の状態依存性を明らかにし、領野間での比較を行う。
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研究成果の概要 |
脳において情報は多数の神経細胞の集団活動に表現されると考えられているが、その詳細は不明な点が多い。本研究ではマウス大脳皮質視覚野での細胞集団による情報表現を調べた。ある画像をマウスに見せたときには、少数の神経細胞のみが活動するが、画像情報は活動する少数の細胞に安定して表現されていた。また、一次視覚野と二次視覚野の間で、細胞集団の活動には異なる画像特徴が表現されていることが示唆された。さらに、マウスが図形を区別する際の行動戦略や関連した神経活動を明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまでの研究から、大脳皮質視覚野では、同時に少数の細胞のみが活動するスパースコーディング知られていた。理論研究から、これは効率的な情報表現であると考えられてきたが、実際の脳内でどのような視覚情報を表現しているのかはわかっていなかった。本研究の成果は、脳内での情報表現を明らかにし、従来の説を実証するものである。特に、不安定な神経活動に、安定して情報を表現しているという脳内での情報表現様式を明らかにした。本研究で得られた知見は、脳の情報処理機序への理解を深めるのみならず、将来的に新規の画像処理アルゴリズムや人工知能の開発などへの貢献が期待される。
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