研究課題/領域番号 |
19K07796
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分51010:基盤脳科学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
宮地 重弘 京都大学, ヒト行動進化研究センター, 准教授 (60392354)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 交連性連絡 / 運動皮質 / サル / 大脳皮質 / 運動野 / 交連繊維 / 一次運動野 / 交連性神経連絡 / 半球間神経投射 / 両手の協調運動 / 神経トレーシング / マカク / 前頭葉皮質 / 補足運動野 / 運動前野 / マカクサル |
研究開始時の研究の概要 |
ヒトをはじめとする哺乳類の脳は、右半球が左半身を、左半球が右半身を制御するようにできている。しかし、特にヒトやサルなどの霊長類は、左右の手を協調させて、様々な高地な動作を行う。このような左右の身体の協調運動には、左右の半球間を結ぶ神経回路が必要である。本研究では、ヒトと同様左右の手を器用に使い、さらに大脳皮質の構造もヒトに近いマカクサルを対象に、左右半球の運動関連皮質の間の神経連絡を、神経解剖学的手法を用いて明らかにする。
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研究成果の概要 |
両手の協調運動の基盤となると考えられる前頭葉運動関連皮質領野の半球間神経連絡の様式を明らかにするため、ニホンザルを対象に、神経トレーシング実験を行った。一次運動野のうち肘や肩を支配する領域は、同側に加えて反対側の前頭葉皮質からの神経入力をかなりの程度受けていたが、手指を支配する領域は、反対側からの入力の割合が非常に小さかった。この結果より、運動関連皮質において、両手の協調の基盤となる半球間の神経連絡パターンが、腕を支配する皮質領域と手指を支配する領域で異なることがわかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
前頭葉には、複数の運動関連領野があり、相互に密接に連絡して運動のさまざまな側面を制御している。どの領野も基本的には反対側の体の運動を支配しているが、解剖学的には反対側の皮質とも神経連絡があることはよく知られており、これが左右の身体の運動協調に重要であると考えられる。本研究の結果はニホンザルの前頭葉運動関連諸領野において、手指を支配する領域と肘肩を支配する領域で半球間神経連絡のパターンが異なることを示し、身体部位によって、左右の運動協調のメカニズムが異なることを示唆する。
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