研究課題/領域番号 |
19K07800
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分51020:認知脳科学関連
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
足立 雄哉 新潟大学, 医歯学系, 助教 (40625646)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2019年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
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キーワード | 認知神経科学 / マカクザル / 大脳皮質 / 神経科学 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、自己への原因帰属認知にかかわる脳ネットワークの中で重要な役割を担う神経経路を同定し、その経路を人為的に遮断することで行動レベルでの障害が引き起こされるかを検証し、原因帰属のネットワークメカニズムの解明を目指す。物事の成否についてサル自身に原因があるか否かをサルに判断させる行動パラダイムを用い、多チャンネル皮質脳波(ECoG)同時計測で同定されるネットワークにおいて要となる経路を化学遺伝学的手法により特異的に遮断し、原因帰属判断に障害が現れるか検証する。
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研究成果の概要 |
我々はよい出来事やわるい出来事を経験するとその原因を推測し自身や他者またはその他の存在に帰属する。社会的原因帰属の神経機構を調べるために、マカクザルが他の同種個体と共に行動する状況のもとで自己や他個体が関わる出来事の原因を判断し、自分たちがおかれた原因構造の理解とその更新を課する実験系を構築し、行動実験を行った。サルは自身の判断を通して原因構造の理解やその更新ができるという結果と共に、他個体の判断を見ることによる原因構造理解の促進や、出来事に関わったのが自己・他個体・仮想的他者のいずれなのかによる判断傾向への影響というかたちで、サルによる原因帰属の個体間相互作用を示唆する結果を得た。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
出来事の原因を自己や他者に帰属することはわれわれの日常的な自己理解・他者理解における重要な認知過程であり、また統合失調症などの精神疾患では原因帰属に偏りが生じることが知られている。非ヒト霊長類の社会的な原因帰属における他個体との相互作用に関する本研究の方法論や知見は、サルにおける社会的認知行動の理解への寄与に加え、動物にのみ適用可能な計測手法・介入手法による社会的認知機能や精神疾患の解明につながると考えている。
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