研究課題/領域番号 |
19K07806
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分51020:認知脳科学関連
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
寺澤 悠理 慶應義塾大学, 文学部(日吉), 准教授 (30585790)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 内受容感覚 / 感情 / 自律神経機能 / 性周期 / 月経周期 / 感情への気づき / 脳機能 |
研究開始時の研究の概要 |
感情は身体内部と外部の環境情報の統合的な理解によって生じると考えられる。しかし、脳と心におけるその過程は十分に解明されたとは言い難い。この問題を解くために、本研究では、女性の性周期に伴う自律神経活動の変動に着目した。この変動が、感情の認識と制御に及ぼす影響とその機序を、脳における反応の変化を指標として理解する。具体的には、①1ヵ月間の実生活における自律神経活動の変動と感情認識・制御の関係の実態収集と、②自律神経機能計測と同時計測による機能的MRI研究を実施する。
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研究成果の概要 |
感情は身体内部状態の受容(内受容情報)と環境情報の統合的な理解によって生じる。しかし、脳と心におけるその過程は十分に解明されたとは言い難い。本研究では、日常生活において身体内部状態の変化が感情に及ぼす影響を示す例として、女性の性周期に伴う自律神経活動の変動に着目した。 一人の参加者に卵胞期と黄体期に実験に参加していただき、34名分のデータを収集した。各実験では、内受容感覚、基礎的な自律神経反応、感情認識傾向などを評価した。また、安静時と課題遂行時のfMRIの撮像を実施した。身体と感情の結びつきを理解している参加者は、性周期の変動によって身体生理状態の変化を敏感に察知している可能性が示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
女性の性周期の変動に伴う気分状態や体調の変化については、医学の領域ではよく知られてきていたが、その一方で感情のメカニズムに基づく認知神経科学的な研究は限られた数の報告しかなかった。このような現状に照らして、身体生理的な変動と、心理的な変動、そして二者をつなぐ脳基盤の変動をとらえ、これらの三者関係について考察可能なデータを取得できたことは、非常に大きな成果である。 感情の生起メカニズムを理解するための基礎的な知見としての価値に加え、月経周期に伴って生じる感情制御の問題のメカニズムや、その対策方法の考案に役立つ可能性がある。
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