研究課題
基盤研究(C)
ギラン・バレー症候群(GBS)は呼吸器・消化器感染症後に急性の運動麻痺をきたす自己免疫性末梢神経障害である。GBSは、末梢神経の軸索が主病変である軸索型と、髄鞘が主病変である脱髄型の二大病型に分けられる。軸索型の標的分子はガングリオシドと知られるが、脱髄型では不明である。これまでに我々はプロテオーム解析により、サイトメガロウイルス感染後の脱髄型GBSにおいて、Schwann細胞膜に発現するmoesinが標的分子であることを示した。本研究ではその成果を推進し、脱髄型GBSの発症機序を解明することを目的とする。さらに疾患モデル動物を樹立して、病態に即した新規治療法の開発を目指す。
本研究では、サイトメガロウイルス(CMV)感染後の脱髄型ギラン・バレー症候群(GBS)の免疫標的分子がmoesinであることを明らかにして、病態を解明することを目的とした。GBS多検体を用いた解析では、抗moesin抗体はCMV感染以外の脱髄型GBSでも陽性となり、脱髄型GBSに共通の病態が示唆された。ペプチドアレイを用いたmoesinアミノ酸配列における免疫標的部位の探索では、2つの候補ペプチドがみつかり、データベース解析でCMVとの分子相同性が示唆された。
GBSの死亡率は約5%で、20%の患者は半年後に独立歩行ができない。このような現状から病態機序の解明が必要とされる。本研究によって得られた抗moesin抗体は脱髄型GBSの診断マーカーになる可能性があり、またmoesinは分子標的治療の新規治療法開発につながる可能性がある。
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すべて 雑誌論文 (13件) (うち査読あり 13件、 オープンアクセス 6件) 学会発表 (6件) (うち招待講演 1件)
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