研究課題/領域番号 |
19K07820
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分51030:病態神経科学関連
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
小柳 清光 信州大学, 医学部, 特任教授 (00134958)
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研究分担者 |
山田 光則 信州大学, 医学部, 特任教授 (30240039)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | ALSP / HDLS / 若年性認知症 / 白質脳症 / ミクログリア / CSF1R / 脳画像 / 脳病変ステージ / アストロサイト / 遺伝性 / 腫大軸索 / グリア |
研究開始時の研究の概要 |
ヒト若年性認知症の一つ、腫大神経軸索(スフェロイド)を伴う遺伝性大脳白質変性症(ALSP: adult onset leukoencephalopathy with axonal spheroids and pigmented glia)における(1)脳の神経病理学的ステージごとのCSF1R発現細胞種を同定し、(2)生存患者さんの脳病理ステージ診断を脳画像所見で行うための基準を確立する。
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研究実績の概要 |
令和4(2022)年度、若年性認知症を起こす一因である「腫大軸索を伴う遺伝性白質脳症(ALSP)」の脳において、 (1)生存患者における「脳画像からの脳病変ステージ診断」のための「診断基準」を判定量的に検討し、ALSP脳画像の、a: 前頭葉・頭頂葉の白質病変の性状、b: 大脳萎縮・側脳室拡大の程度、c: 脳幹小脳萎縮の程度、から脳病変ステージを同定することが可能であることを証明した。令和4年5月「日本神経学会総会」で発表した。英文論文投稿準備中である。 (2)ALSPはCSF1R遺伝子などが変異することによりミクログリアに機能以上が生じて脳の白質が変性し認知症などを発症する。このCSF1R発現細胞種を同定するための、免疫染色標本の定量的解析を進めている。 (3)ALSP脳白質変性の進展に伴ってミクログリアのサブセットが変化することを解析しつつある。 (4)合衆国ワシントン大学との共同研究として、RNAのプロファイリングを行う。TREM2およびTYROB変異に基づくミクログリア受容体の機能不全により惹起される神経変性疾患の機序を追求する。RNAプロファイリングには、ホルマリンパラフィン切片上で18000種類の遺伝子産物を解析可能な最新技術を用い、免疫染色により描出される蛋白の画像解析も行う。a. TYROBPまたはTREM2遺伝子変異から生じた異常遺伝子産物により攪乱された遺伝子ネットワークを特定する。b. 那須-ハコラ病脳においてTYROBPおよびTREM2蛋白の機能が保たれているか、他の遺伝子とのオーバーラップ遺伝子が影響を受けているか解析する。c. 那須-ハコラ病脳の各部位および各細胞種における病的メカニズムを検討する。d. 蛋白レベルからRNA発現を解析する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
(1)脳画像所見からの脳病変ステージ診断のための所見を多人数で行う定量的検討に時間を要したこと、(2)CSF1R発現細胞種を同定するための、連続切片を用いた異なる免疫染色標本の作成と定量的解析に労力と時間を要したこと、による。
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今後の研究の推進方策 |
令和5(2023)年度、「腫大軸索を伴う遺伝性白質脳症」脳における、連続切片を用いたCSF1R発現細胞の定量的解析を終えてその細胞種を確定する。また同疾患で「脳画像からの脳病変ステージ診断」を確定するための「脳画像診断基準」を明らかにして、本研究を完遂する。
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