研究課題/領域番号 |
19K07826
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分51030:病態神経科学関連
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
豊田 剛成 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 教授 (80624014)
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研究分担者 |
松川 則之 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 教授 (20305543)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 神経再生 / Rafキナーゼ阻害蛋白 / 海馬コリン作動性神経刺激ペプチド / コンディショナルノックアウト / 神経幹細胞 / 脳梗塞 / RKIP / ノックアウト / 分化誘導 |
研究開始時の研究の概要 |
脳梗塞は神経再生治療の良い対象疾患であるが、再生能を持つ神経幹細胞が分裂増殖・分化して梗塞部分を補修する際、その細胞の大半がニューロネットワーク機能を持たないグリア細胞になってしまうことや、神経幹細胞が腫瘍化する恐れがあることが問題になっている。我々はがん抑制因子であるRafキナーゼ阻害蛋白(RKIP)が神経幹細胞の分化に関与することを既に報告した。本研究ではマウス脳梗塞モデルにおいて、細胞特異的・時期特異的にRKIP遺伝子発現を制御することにより、中枢神経系再生組織のグリア化を抑制し、ニューロネットワーク機能を持つニューロンへ分化誘導できるかどうかを検討する。
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研究実績の概要 |
脳梗塞・脳虚血で誘導される内在性神経幹細胞の多くはグリアに分化誘導され、これが再生治療開発における問題点となっている。また細胞移植による神経再生では腫瘍化防止も重要な課題となる。がん抑制因子であるRafキナーゼ阻害蛋白(RKIP)は、様々な組織において細胞の増殖・遊走・分化誘導に関与しており、我々は以前中枢神経系においても、培養系及び生体内の海馬神経幹細胞の分化に関与することを報告した。本研究では、RKIPコンディショナルノックアウトマウスを用いた生体虚血脳モデルにおいて、細胞特異的・時期特異的にRKIPの発現を制御することにより、内在性神経幹・前駆細胞の数に影響があるかどうか、および中枢神経系再生組織のグリア化を抑制しニューロンへ分化誘導できるかどうかの検討を目的としている。 令和4年度はNestin-Cre/ERT RKIP floxedマウスのストレインを作成し、次にこのマウスにおいてnestinを発現する神経幹細胞でRKIP発現を抑制し、その脳室下帯神経幹細胞の発生・分化への影響を、免疫組織化学を用いて確認し、さらにこのマウスを用いた虚血モデルを作成する予定であった。しかし現時点では、まだ前記ストレインを樹立できていない。カルモジュリンキナーゼII(CaMKII)-Cre/ERT RKIP floxedマウスで代用を試み、同マウスを用いたCaMKII発現細胞(主にニューロン系に分化している細胞)でのRKIPノックアウトモデルでは、海馬歯状回顆粒細胞下帯においてニューロンに分化しつつある細胞数が、非ノックアウト個体と比較し減少していることを確認している(未発表)。 次年度は引き続きこのマウスを用いて虚血脳モデルにおけるニューロン分化の状況を確認する予定である。また当初の方針通りNestin-Cre/ERT RKIP floxedマウスのストレイン樹立も目指す。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
令和4度は、Nestin-Cre/ERTマウスを購入し、我々の持つRKIP floxedマウスと交配して、Nestin-Cre/ERT RKIP floxedマウスのストレインを作成、次にこのマウスに対し、生後3ヶ月の時点でタモキシフェンを投与して、nestinを発現している神経幹細胞内でのRKIP発現を抑制し(RKIPコンディショナルノックアウト)、脳室下帯神経幹細胞の発生・分化への影響を、免疫組織化学を用いて確認,さらにこのマウスの脳虚血モデルを作成する予定であった。 現在までのところ、Nestin-Cre/ERT RKIP floxedマウスのストレインがまだ樹立できていないことが、遅延の理由である。そのため、当研究室で既に保有しているCaMKII-Cre/ERT RKIP floxedマウスによる代用を試みている。同マウスのCaMKII発現細胞(主にニューロン系に分化している細胞)でRKIPをノックアウトし、2ヶ月後の海馬歯状回顆粒細胞下帯における神経幹細胞の分化への影響を、免疫組織化学を用いて確認した。SOX2陽性の神経幹細胞数は、RKIPノックアウトの有無による明らかな差はなかった。しかしRKIPノックアウト個体におけるdoublecortin (DCX)陽性の未熟ニューロン数は、非ノックアウト個体と比較し減少していた。
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今後の研究の推進方策 |
Nestin-Cre/ERT RKIP floxedマウスのストレイン作成を続け、ストレイン樹立後は当初の計画通り、そのストレインにおけるRKIPノックアウトモデルを用いて、非虚血脳および虚血脳での神経幹細胞の増殖・分化への影響を免疫組織化学で評価し、また虚血脳個体に行動学的評価を行い運動機能への影響を確認する。 平行して、Nestin-Cre/ERT RKIP floxedマウスのストレイン樹立ができなかった場合に備え、代用であるCaMKII-Cre/ERT RKIP floxedマウスによるRKIPノックアウトモデルで虚血脳を作成し、前述と同様の評価を行っていく。
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