研究課題/領域番号 |
19K07827
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分51030:病態神経科学関連
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研究機関 | 奈良県立医科大学 |
研究代表者 |
田中 達英 奈良県立医科大学, 医学部, 講師 (80567032)
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研究分担者 |
辰巳 晃子 奈良県立医科大学, 医学部, 准教授 (90208033)
和中 明生 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (90210989)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 疼痛 / マクロファージ |
研究開始時の研究の概要 |
我々は最近、別の研究テーマで使用しているBAC-TGマウスにおいて興味深い表現型を同定した。このTGマウスはホルマリンによる化学刺激に対する痛み反応が著しく低下している。特にホルマリンにより誘導される炎症反応で発症する第2相において疼痛行動をはじめ、発赤や腫脹が認められない。TGマウスではホルマリン投与後の炎症反応の低下が認められることから、末梢における免疫システムに何らかの異常が起き、その結果、疼痛行動が起こらないことが強く示唆される。これまでの予備データを踏まえて本研究では、疼痛の発生に関わる末梢経路において免疫系細胞で発現・機能する新規疼痛因子は何かを明らかにする。
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研究成果の概要 |
疼痛の発生メカニズム及び神経系における伝達機構は多様でありその全貌は明らかではない。機械刺激や化学刺激に対して疼痛鈍麻の表現型を示すBACトランスジェニックマウス (TGマウス)の順遺伝学的解析から疼痛関連候補因子として3遺伝子を同定し、本研究ではそのうちの一つSorting nexin 25 (SNX25)について機能解析を行なった。TGマウス、SNX25 KOマウスおよびSNX25 floxedマウスと様々なCreドライバーマウスを用いたconditional-KOマウスの解析から免疫系細胞におけるSNX25が痛覚制御に重要であることを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
侵害受容器から一次求心性神経、脊髄を介して視床・大脳皮質に伝達される痛覚の中枢経路に関する研究はこれまで多くの報告があるが、免疫系細胞と疼痛の関係は不明な点が多い。本研究では、疼痛鈍麻の表現型を示すTGマウスを出発点としていることが最大の特徴であり、TGマウスやSNX25 KOマウスで免疫系細胞に異常が認められたことから、従前の痛覚中枢機序解析では成し得なかった免疫-疼痛システム連関の詳細なデータを効率的に取得することが出来た。本研究成果をもとに疼痛抑制物質のスクリーニング方法を特許申請中であり、さらに本成果の医療応用を見据え疼痛に対する新規阻害剤の探索、開発、化合物評価法の確立を目指す。
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